今回のタイトルは次の記事から引用しました。
駅のすぐ先に踏切があって、10mほど過走したしたために踏切の始動点を踏んでしまったのかな。
JR東日本は機器や設備で新しいものをどんどん導入していますから、私が経験したことがない事象がたくさん出てきます。
停止位置を行きすぎたために踏切の始動点を踏んでしまうというケースはそう珍しくはありません。
でも私が勤務していた会社で私が運転士をしていた時代には、先で踏切が鳴動しているからバックできないということはありませんでした。
もし踏切が閉まりっぱなしになるとしても通行人や通行車両には迷惑をかけることになりますが、安全面では問題はありません。
いったんバックして所定の停止位置に止め直し、乗降完了後ふつうに出発してふつうに踏切を通過すれば良いだけなのですけどね。
ということで私には
“電車をバックさせると、すでに作動していた先の踏切が故障する可能性”
というのが理解できません。
おそらく私が勤務していた会社で採用されているシステムは昔から使用されている旧態依然としたもので、JR東日本で採用されている踏切の制御装置は新しくて感度が良くてデリケートな機械なのかな。
ちなみに私の会社の踏切では始動点を踏み込んで踏切が作動し始めても、バックして始動から外れれば踏切の作動は終わってしまいます。
始動点から収束点の間に車軸があれば踏切は動作し、車軸が無ければ作動しないという簡単なものです。(実際にはATS車上子の関係とかいろいろありますが)
なので駅で過走して所定の停止位置を行きすぎたとしても、車掌に後方の安全確認をしてもらうことでバックはできます。
ただし次のようなケースの場合は指令の許可がないとバックできません(私が勤務していた会社の場合)
・出発信号機など絶対信号機を超えた場合(列車停止標識を含む)
・駅の前方にある閉塞信号機を編成の車軸すべてが超えてしまったとき
絶対信号機は進路を指示する現示を行うケースも多く、先頭車の1軸目が踏み込んだ時点で後退に制限をかけています。
閉塞信号機を車両最後部の車軸が超えるとこの閉塞信号機は当然R(赤)ですが、その外方(後方)の閉塞信号機はR以外が現示されます。
後続の列車が接近しているのに勝手にバックしてきたら衝突の可能性が出てきますからね。
なので後続列車に停止手配を出し、安全が確認されないとバックできないわけです。
しかし
私が勤務していた会社では
“○○駅の出発は踏んでも勝手にバックしても良い”
なんていうローカルルールも存在していましたけどね。