今はほぼすべての鉄道で日中のヘッドライト点灯が行われています。
日本の鉄道で常時ヘッドライト点灯が最初に規則化されたのは東海道新幹線で、これは1964年の開業時から続いています。
以前にも書いたのですが、在来線では踏切での車などとの接触事故が多発していた路線で、ヘッドライトを日中にも点灯して走行したところ事故がかなり減少した。
ヘッドライトを点灯することで通行人や通行車両などからの視認性が向上したわけですね。
その他には日中の線路内作業を行う係員からも列車の接近が判りやすいなど安全性が向上するとのことで、全国に徐々に広がっていったようです。
私が在籍していた会社でもいまは日中のヘッドライト点灯が規則化されていますが、私が運転士をしていた時代ではなかったために私は未経験です。
ちなみに自動車やオートバイが夜間に走行する場合、ヘッドライトはハイビームが基本です。
他車とすれ違う時にはロービームにして視界を確保するのが基本だそうです。
これは鉄道でも同じで基本的にヘッドライトはハイビームにして走行しますが、他車との離合の際にはハイビームにされていると視界が確保できないためにロービームにするのが一般的。
ただし鉄道ではヘッドライトはあくまで標識灯(前部標識)であるため、ハイビームとロービームの切り替えについては言及されていません。
なのでハイビームのまま離合しても規則上特に問題はありません。
私は日中の前照灯点灯は経験していませんが、夜間走行中によくロービームへの切り替えを忘れちゃったりするんです。
そういう時はダイヤを見て列車番号を確認して、次に行路表でどの仕業番号かを確認。
乗務区に戻ってきてから該当する仕業番号を乗務している運転士を調べて直接会えそうならば謝り、休憩時間などが合わない場合は出勤管理を行っている助役に“こうすけ”が謝っていると言付けていました。
他の乗務区の場合は出勤管理を行う助役に電話してもらい、他の乗務区の助役に言付けたりもしていました。
先日元同僚と飲む機会があったのですが、この際に日中のヘッドライト点灯のことについて少し話をしました。
基本的に日中はヘッドライトをハイビームのまま固定、離合列車があってもロービームには落とさないという指導を受けているそうです。
ただ運転士同士の配慮で離合の時にはロービームにすることもあり、その場合は特に指導されることもないようです。
緩急接続である程度の時間停車する場合もヘッドライトの消灯はダメ、始発駅でもエンド交換して運転台に座ればヘッドライトを点灯する、これらも基本はハイビーム。
私の想像通り上の方からこのように指導されているようです。
私個人的には日中の踏切や駅への進入や通過時はハイビームのほうが良いだろうと思います。
元々が注意喚起から始まった日中の前照灯点灯ですから、ホームや踏切にいる人に対してハイビームによって列車の接近を伝えるのは重要だと思います。
でも駅に停車しているときは別に点灯しなくても良いんじゃない?