台風19号-一部区間または全線で運転見合わせの時の乗務員

数日前から大変危険な台風であると繰り返し報道されてきた台風19号。

私は関西在住ですので、徐々に東寄りへと進路が変わっていった様子を見ていて、これならば居住地周辺は大したことはないだろうと高をくくっていました。

しかしその予想は見事に外れて関西でも暴風雨に見舞われました。

12日(土)は関西でも運転見合わせが一部の路線で発生。

遠く離れた位置に台風はいたのに京阪神で列車の運転ができなくなるほどでしたから、ほぼ直撃した関東から東北地方で運転に支障が出る障害が発生するのもうなずけます。

このブログは鉄道業(駅や乗務員)で働いていた私が経験などをもとにグダ話を展開する内容ですので、今回もグダ話をお送りします。

今回の台風でも橋梁が流出したり、道床がレールごと流されるなどの被害が各地で出ました。

こういった状況で全線で運転休止となると、ホントにすることがなくなってしまいます。

本来は乗務予定だった列車は当然走行しませんから、乗務員は乗務区等で待機となります。

私が所属していた乗務区では“もうけ”と呼んでいました。

運転本数が元々少ない路線ではなく本数が多い幹線系で運転休止となると、乗務区の休憩スペースは乗務員があふれかえって座る場所もない状態に。

しかし運転休止が風雨の規制値に関することが原因だった場合、当然ですが小雨になってくれば運転指令は運転再開を模索し始めます。

その情報は乗務区にも当然伝えられて、車掌や運転士にも伝えられます。

「列車番号〇〇、系統××から運転再開予定、担当乗務員は遅れないように待機してください!」

私が所属していた乗務区ではこんな感じで館内放送を流していましたよ。

ところが幹線系で全線運転休止になるのは滅多になく、どこかの駅を境にして折り返し運転のほうがやはり多いです。

この時には仕業表・行路表に書かれている仕業内容とは全く異なってきます。

出勤管理を担当する助役に

「〇分から下りを担当してください、詳細は運転指令から指示します」

こんな感じでとりあえず乗務してきて!って感じになっていました。

助役たちは神経がピリピリとして殺伐とした雰囲気を醸し出していましたが、車掌や運転士は全く違った雰囲気で

「しょうがないから乗り行くか・・・」

ただし乗務員は乗務すれば助役たち以上に神経をピリピリとさせていましたよ。

台風など暴風雨が原因の時ならば線路や設備の異常の有無や実際の天候の状況、ブレーキの反応も気になるし、通常はコンピューターにって自動制御(CTCなど)されている信号機やポイントなどが各駅の信号扱いの係員の手動操作による駅扱いになるため、つけ間違いが少なからず発生してしまいます。

それも運転指令がどのように列車を走行させるかを決めている状態ですから、通常のダイヤとは全く別の時間割です。

運転指令も駅の信号扱いの係員も乗務員もみんながピリピリとした状態ですから、どうしても意思疎通がうまくいかずにミスが発生するんです。

運転指令や信号扱いの係員は人目に付かない建物の中にいるのですが、車掌や運転士はお客さんの目の前で仕事をしています。

当然ですけど普段とは違うダイヤで運転していれば、お客さんは乗務員にいろいろと質問してきますよ。

こういう時の乗務員の返答ってあいまいだったりしますよね。

正確な情報が運転指令からもらっていないことが最も大きな原因なのです。

極端な場合は何時何分に出発するのかも知らない、行先もわからない、最悪な場合は出発直前まで普通列車なのか優等列車なのかも分からないことがありますから。

でもお客さんも何が何だか分からない状況にイライラしていますから、乗務員に聞いても的確な答えが返ってこなければイライラが爆発しますよね。

なので“もうけ”のまま待機というのが乗務員にとっては一番良かったりするのです。