山手線で無人による自動運転を目指すとした実験が行われていることは、以前このブログでも少しふれました。
ところが2020年度末に常磐線の綾瀬~取手間の各駅停車で自動運転を行うことを発表。
当面は運転士も車掌も乗務するが、おそらく特に問題がないと判断され次第運転士のみによるワンマン運転に移行していくでしょうね。
この常磐線の各駅停車は乗り入れ先の千代田線ではATOによる自動運転を行っているから、常磐線での自動運転のプログラムを組み込めばすぐに自動運転ができるらしい。
ただこの記事の中には
ATOでの運行情報などを分析し、将来的には国家資格が必要な運転士が列車に乗らなくてもよい「ドライバーレス運転」の実現を目指す。
日本経済新聞 JR東、常磐線で自動運転開始へより
運転士という職種は将来的には必要がない、ただ前方の監視と非常時にボタンを押せれば良い
こんな感じですね。
やや大掛かりな工事の場合には監視人というか見張り役の人がいるのですが、クレーンが傾いてきて列車に接触しそうなんて時には、その監視人がボタンを押すことで特殊信号発行機が動作するのですが、結局役目が同じなんですよね。
※昔は工事用の信号炎管が線路沿いに設置してあって、ボタンを押すと電気によって着火するので電着炎管なんて呼ばれていましたが、今は細長い形状はそのままに赤いLEDが点滅する工事区間用の特殊信号発行機が使われることが多いです。
ATO自体は広く使われていることから、導入自体には特に問題はないでしょうね。
ホームドアの導入もATOによる自動運転に合わせて設置されるそうですし、駅・ホームでの安全性も担保できるようですしね。
ちょっと分からなかったのでざっと調べたのですが、綾瀬駅から取手駅の間は踏切は無さそうですから自動車や人との接触事故も起きにくいですし、将来は運転士の資格がない人間を運転台に座らせるだけという運用も現実味を帯びてくるのかなと思います。
運転士の乗務なしで列車を運行するには、最低でもホームドアの設置と立体交差化は必要ですから。
地方の路線を中心にワンマン化は当たり前になっていますが、現状の設備を更新するような投資はまず行われないでしょうから、現状のワンマン運転の継続か路線を廃止するかしか選択肢はないでしょうね。
でも都市部の路線でホームドアや立体交差化が進んでいけば自動運転によるワンマン化、それも運転士の資格を持たずにただ保安要員として座っているだけの人による運転は進んでいくのかもしれません。
こんな話をしている時点ですでに車掌はいらないという前提になっていますし、運転士もその活躍の範囲が相当狭められているし。
ホントに車掌や運転士という職種が鉄道業から消える日を目にすることになるのかもしれないですね。