最近は駅の改札口や駅事務室内などでもパソコンが使用する頻度が高くなっています。
例えば
「〇〇というお寺に行きたいのですが」
といった質問に対して、パソコンで最寄り駅などを検索して答えるとか。
忘れ物(遺留品)が届けられたらすぐにパソコンで登録し、各駅のパソコンから忘れ物の情報をすぐに引き出すなんてことも行っているようです。
でも最も多いのは、〇〇駅から△△駅までの所要時間(乗り換えなどの情報も含む)や運賃を調べるときに使うそうです。
たしかに便利ですからね。
どこの会社だったか忘れましたが、乗り換えのことを尋ねたら検索結果をプリントアウトして受け取ったなんて話も。
私が駅勤務のころはダイヤグラム(列車運行図表)を広げてスジ(線)を追い、運賃表で運賃を調べて答えていました。
ちなみに運賃表は運賃の改定があるたびに手書きで作っていました。
普通運賃だけではなく定期運賃(通勤・通学 1・3・6ヵ月)も併記していました。
ダイヤグラムって縦に駅名、横が時間を表していて、列車を線(スジ)で表します。
現場で使用するダイヤグラムは1分ごとに細い罫線が入っていて、さらに秒を表す記号が入っています。
列車を表す線に沿うように列車番号が小さく記載されています。
最近は列車種別ごとに色を変えたダイヤグラムもありますが、昔は一色刷りで列車を表す線の太さが微妙に違う程度でした。
このダイヤを見てお客さんに案内もしていましたし、乗務しだしてからは担当する列車に関する情報を得ていました。
なので駅勤務の間にダイヤが読めるようになるのが当たり前でした。
運転士生活の晩年のころには、車掌になりたての新人さんの多くは、ダイヤの読み方を知らないという本当に信じられない状態でした。
駅でダイヤを読む機会がなかったので仕方がないとは思うのですが、でも車掌の見習中に習得しておくほうが良いのになぁと率直に思いましたよ。
線で表しているダイヤって、例えば日中はA駅で緩急接続(普通列車と優等列車が接続し相互に乗り換えできる)しているのに、朝ラッシュのある普通列車だけはA駅で優等列車と接続するのではなく、その手前のB駅で追い越されているなどの情報がすぐに分かるのです。
お客さんに案内するだけではなく自身が列車を担当する上で、B駅で普通列車を追い抜いていく優等列車の乗務員は、普段とは信号展開が違うはずといった情報を得ることもできるのです。
ダイヤ改正直後なんて、ダイヤグラムを見なきゃ列車の運転パターンの把握も難しいですしね。
会社によっては乗務員に情報端末を所持させていることもあるそうだから、ますますダイヤグラム(列車運行図表)を見る機会が減っていくんじゃないかな。
デジタル機器を駆使するのは時代の流れから言って普通なのかもしれないけど、アナログな紙のダイヤも読めるようにならないと車掌・運転士とは呼べないです、私的には。