ワールドカップでコスタリカに敗れた日本ですが、ドイツに勝った11月23日の夜は各地で勝利の余韻に浸る人たちが大勢いたようですね。
テレビではスポーツバーでの様子のほか、渋谷の街の中で勝利後に騒ぐ様子の人達の様子も流されていました。
コンサートに参加した後も興奮状態は続くものですが、スポーツ観戦後の興奮状態とは比べ物にならず、特にサッカーの試合後の興奮状態はなかなか激しいですよね。
なぜ最初にこんなことを書いたかというと、サッカーではなかったのですが、別のスポーツによって大興奮したお客さんが車内でかなり騒いだことを思い出したからです。
1985年10月16日、阪神タイガースが神宮球場でヤクルトに勝ってセリーグ優勝を飾った日です。
試合自体は神宮球場で行われていたけど、優勝決定直後から大阪市内は大騒ぎ。
道頓堀川に次々に飛び込んだり、ケンタッキーの店頭に置かれていたカーネルサンダースの置物まで放り込まれるなど、相当な騒ぎっぷりだったようです。
この当時車掌だった私は、この日も乗務していました。
大阪市内のターミナル駅を23時過ぎに出発する列車だったと思いますが、発車する前から車内は大騒ぎ。
お酒も入っているからでしょうが、声はでかいし、万歳しだす人はいるし、六甲おろしの大合唱は始まるしでお祭り騒ぎ。
車掌としては「車内の秩序の維持」という役目もあるわけですが、直接注意になんて行けば殴られるでしょうね。
なのでマイクを使って車内に放送するわけですが、そんなものは焼け石に水状態。
一応警戒して乗務区から助役も出動していましたが、手が付けられません。
だいたい駅の内外でも興奮した人が大量にいる状態ですし、そういった人が次々に乗り込んでくるわけですから、手のつけようもない。
結局はマイクで注意を行うものの、それ以上は行うことが不可能。
ただし車内で暴れだしたり、喧嘩が始まるなどすれば列車無線で報告するとともに、警察へ出動を要請することになりました。
今ならば警察があらかじめ警戒に当たるなどすると思いますし、東京の方ではDJポリスなんて呼ばれるものがあらかじめ出動しますが、この1985年当時はそこまで警察が出動していた記憶が無いのですよね。
乗務していたし、大阪のターミナル駅から外へ出ていないから見なかっただけかもしれませんが。
スポーツによって興奮した状態の群衆もすごかったのですが、本当に怖いと思ったのはヘルメットを被って、タオルなどで口元を隠した人たちが1両まるまる占拠するように乗車してきた時ですけどね。
この時は私服の警察官も乗車してきていたし、添乗してきた助役も運転指令とのやり取りがすべてあらかじめ決めておいた隠語だったりして、ほんとに怖かった。
今はサッカー勝利後は街では騒いでいるようだけど、電車の中などではどうなのでしょうか?