私が車掌の見習だったころ-3
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私が車掌の見習だったころ-3

私が所属していた乗務区には、食べるスペースである食堂はあったものの、その場で食べ物の提供はありませんでした。
他社の方に話を聞くと、多くの乗務区内には社員食堂があって定食などが提供されていたといいますから、私が所属していた乗務区ってあまり待遇が良くなかったのかなって思います。
昼や夜は乗務区の周辺のお店で食べることが多かったのですが、朝早くから開いているお店は当時はほとんど無く(コンビニもまだあまり無かった時代)、朝食と言うと“立ち食いソバ”が定番でした。
しかし関西ではソバよりうどんを好む人のほうが多いのに、なぜ立ち食いソバって言うのだろう?立ち食いソバでも頼むのは圧倒的にうどんなのに。

 

 

しかしなぜだか立ち食いそばへ食べに行くということはほとんどなく、たいていは立ち食いソバへ行ってうどんをお持ち帰りして会社の食堂で食べていました。
岡持ちに人数分の空のどんぶりを入れて、大きめの鍋も一緒にお店へ持って行く。
湯がいた麺はどんぶりに入れてもらい、大きな鍋には汁をいっぱいに入れてもらう。
割りばし、ネギ、そして天ぷらやあげなどは別々の袋に入れてもらい、岡持ちに入れて乗務区に持ち帰るのです。
岡持ちは乗務区に複数個ありました。

車掌の見習中に運転士ごとの好みのうどんメニューを覚えておかなくちゃいけなかったんです。
初めて乗組むときには注文を聞くわけですが、2回目以降は休憩時間になるとすぐに車掌の見習が岡持ちを持って買いに行くわけです。

「岡持ち」って出前の時に使う運搬用のいれものです。

 

 

よく別の運転士や車掌の分も一緒に買って来いと師匠に命じられるのです。
岡持ちの中には麺が入ったどんぶりが5つ、それに5杯分のお出汁が鍋にたくさん入ってるわけですからかなり重たいのです。
そんな岡持ちを制服を着た乗務員が下げて歩くわけですから、重たい以上に格好悪かったなぁ。
20歳そこそこの頃でほとんど年の変わらない学生が通学のために駅へ向かう中、こっちは岡持ちをもって駅のすぐ近くの乗務区へ歩いていくのですから。

車掌の見習中は泊まり明けの朝は必ず岡持ちをもって買いに行っていたのですが、見習が終わり一人で乗務しだすと、なぜだか運転士と一緒に喫茶店へ行ってモーニングセットの朝食がほとんどに。
そして翌年つぎの車掌見習が乗務区へやってくると、また毎朝岡持ちを持つ風景が見れたのでした。。。

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