私がこのブログで女性の進出で劇的に変わった会社の設備という記事を書いたのが2018年9月ですから、4年前ですね。
それ以降確実に女性の駅係員や乗務員の数は増えていますが、それでもまだ男女比率はかなりの差があるようです。
私が入社したのは1981年(昭和56年)なのですが、その当時は本社を含めても女性の従業員は確かに少なかった。
鉄道の現業職となるとさらに少なくて、私が在籍した駅管区には女性は4~5人だけで、みなさん私の親と変わらない年代の方ばかりでした。
この方たちは駅務機器の近代化が行われる以前に入社した方たちで、きっぷの発売が券売機に移行されておらず、出札窓口できっぷを手売りしていた頃に入社した方々。
なので私鉄では昔は駅には多数女性がいらしたようです。
券売機が本格的に導入され始めた昭和40年代、まだ労働基準法の「女子保護」規定があったために改札等での深夜勤務ができなかったため、多くの女性が退職していった。
少しだけ残った女性社員は定期券発売所や改札の日勤勤務しか仕事が無くなっていったのです。
なので私が入社したころ新入社員に女性の名はなく、男子校のノリそのものの職場だったのです。
1986年ごろから男女雇用機会均等法の制定によって本社などでは女性の採用が行われるようになりましたが、私が在籍した会社の現業職で女性の採用を再開したのは、1999年に労働基準法の「女子保護」規定が撤廃されたから。
真っ先に影響を受けるのが、入社後すぐに配属される駅。
かなり慌てて設備の改善をしていきましたからね。
何せごく一部の駅を除いてお風呂どころかシャワーの設備もない状態だったし、管区長所在駅(駅長所在駅)ですら、どうやって女性用のロッカールームを設ければいいの?的な状態でしたからね。
物理的にスペースが無い管区長所在駅も多く、女性従業員用のスペースを確保するついでに改装したり改築する動きも多々あり、結果的に接客コーナーの改善にもつながりました。
乗務区でも同じようにあちこちのデッドスペースを活用したり、一部男性用に使っていたスペースを女性用に振り分けるなどして、ロッカールームのほか女性用の寝室やシャワールームの確保が進みました。
そのついでに男性用の設備も更新されたので、おこぼれを貰った形ではありましたがマシにはなりましたね。
私が会社を退職してからも、男性用ロッカールームを縮小して女性用に振り分ける工事をしたと元同僚に聞いたのですが、その際に古いロッカーを搬出する作業を行ったそうなのですが、なんと私の運転士時代の名札がロッカーの上でホコリをかぶった状態で見つかった。
乗務職場を去って何年経過してから発見されたのか。
男ばかりのロッカールームがいかに掃除なんてぜずに汚いのかを物語っていますよね。
女性と共用する場所は割ときれいだったことを思うと、男だけの環境はやっぱりあまりよくないです。
少しずつ女性の駅員や乗務員も増加してはいますが、それでも男女比率で言うとまだかなりの格差があります。
男性以上に女性の方が早く退職し、転職していくケースが多いように感じます。
設備面ではかなり向上して女性もいやすい職場になっているとは思いますが、いかんせん駅でも乗務でも上司はほぼ男のみ。
事務方だって本社などには女性が相当いますが、現場の庶務を担当する人は今でもほぼ男のみ。
さらに言えば、昔からのしきたりというか慣習は引き継いでいるので、考え方は今でも男職場時代のまま。
そういった雰囲気に慣れずに早期に退職してしまう女性も多いような気がします。
乗務員の場合ですが、一度乗務すれば2時間くらいは基本的に降りることができません。
男の場合は腹痛に悩まされることが多いのですが、女性の場合は生理がひどい時は大変だと思います。
労働基準法では生理日の就業が著しく困難な場合は生理休暇を請求できるのですが、上司だったり庶務関係の職員もみんな男だと、生理休暇はなかなか申請しづらいと思うのです。
ちなみに私が入社した当時にいた女性社員さんたちは、駅の出勤管理の助役に
「あした生休(なまきゅう)ね」
と平気な顔して言っていましたが、いま会社にいる若い女性がそう簡単に申請はできないだろうなと思うのです、
またそれまでは女性が全くいなかった職場に急に女性が少数だけ入ってきた状態って、腹を空かせたライオンの群れの中に一つだけ肉の塊を与えるのと同じ状態。
どうしても浮足立って女性に近付こうとする男が出てきてしまい、それも女性が長く職場にいづらい原因なのかなと思うし。
最近の若い男性は学校に通っていた頃から同じように女性もいた環境に慣れているので問題ないと思いますが、ある一定以上の年齢層の男は女性に対してちょっと違う感情を抱く傾向が強く、その人たちが上司だったり庶務関係の仕事をしていることが多いのが実は問題なのかもと思います。
女性の駅員や乗務員をもっと増やすためには、まず定着率をいかに上げていくか。
そのためには上司や現場の庶務を担当する人にもっと女性を登用するべきなのだろうと思います。
現場上がりの高卒組ではなく、大卒のキレる女性を駅長や乗務区長をはじめ首席助役や助役に抜擢していくことが必要なのだろうと思います。