先日新聞に次のような記事が出ていました。
「JR北は夕張市役所より給与低い」…JR北海道と四国で若手社員の離職相次ぐ
記事によると新卒採用者数の6割に当たる人が会社を去っていて、そのうちの9割近くが10~30代の若い世代だというのです。
先々の会社の存続への不安もあるとは思いますが、それ以上に現在手にしている給料が安すぎるのが原因のようです。
だってむかし財政破綻した夕張市役所より給料が低いというのですから、そりゃあかなり厳しいのだろうと思います。
どうせ転職するならば若いうちに・・・と考えるのはごく普通のことですからね。
現業での鉄道の仕事って勤務時間が超不規則だし、泊まり勤務で考えた場合には2日で24時間の勤務ですから、普通の仕事に比べるとかなりの長時間労働。
仮眠時間はだいたい6時間として設定しているけど、実際には4時間ほど眠れたらマシなほう。
でも会社は仮眠時間は6時間として計算するから、勤務時間はその他の休憩時間を入れて2日で18時間だから、普通のサラリーマンと大差ないというわけですが。
今はどのような扱い方になっているのかは分かりませんが、むかしJRの方に聞いた話では
真冬の留置車両の車内の寒さ・冷え方って半端ではありません。
雪の多い地方だとなおさらです。
真冬の留置車両のパンタを上げてヒーターを入れる作業は通常より早めに行わないと、お客さんが乗車するころは冷え切ったまま。
なので泊り明けの担当乗務員が、仮眠時間を削ってパンタを上げに行っていたとか。
もともと仮眠時間なんて短いのにさらに削って乗務員が行うのには理由があって、会社としてのスタンスは通常通りの時間に作業をすれば良い。
寒いからと言って早い時間にパンタを上げに行くのはあくまで乗務員のサービスだから、会社としては早出に対する手当も出さない。
でも旅客から寒いという苦情が本社に寄せられたらその乗務員は・・・
乗務員の立場からすると、担当していて直接旅客に文句を言われるのもいやだから、みんな自主的に仮眠時間を削ってパンタを上げに行っていたらしいです。
言ってみればサービス残業ですよ。
さすがに今はこのようなことはないと思うけど、鉄道の現場なんてこんな感じで働いているのですよ。
そのほかにも運転士として乗務していても、本社の人が私服で客室から勤務状態をチェックする「裏面添乗」などで、現場ではかなりギスギスした環境になっているのも若い人の退職につながっていると思います。
まるで国鉄末期に先行きへの不安や職場のギスギスした環境から、多くの人が去っていったころとよく似ているような気もしますよ。
国鉄のころは再就職先のあっせんを(形式上だけど)積極的にしていたことになっているけど、JR北海道や四国はどうなんだろう。
※運転士や機関士などが国労所属というだけでコンビニや売店などの店員にされたりしていた・・・
鉄道が好きだから、という理由だけで鉄道会社に就職するのはこれからはちょっと考えるほうがいいかもしれない、そんな気がします。