ネットニュースを見ていると、福岡市内でタクシーの乗務員に対する詐欺行為が起こっているとの記事がありました。
タクシーのドアが閉まる際に靴が挟まれたとして、タクシー運転手に靴の修理代を要求するというものだそうです。
この手の詐欺で本気で大金を盗りに行くつもりならば、足を怪我したとして治療費や通院費を要求すると思いますが、大金を要求するとなるとタクシー運転手個人の判断ではなく、タクシー会社だったり保険会社相手となるのでかなりハードルが上がってしまいます。
そこで靴の修理代として1万円くらいの請求ならば、タクシー運転手はしぶしぶその場で払うかもしれないとの非常にセコイ詐欺行為に走るのです。
それにタクシー運転手だって、タクシー会社にこのことを報告すれば事故として扱われるるからかなり面倒なことになるので、それを嫌がる心理面も利用しているのかなとは思います。
前フリが長くなった・・・
駅勤務の頃に時々この手の人が現れていました。
「まだ電車に乗れていないうちにドアを閉められて眼鏡が壊れた!どうしてくれるんや!」
「降りるときに早くドアを閉めやがって!靴が挟まれてめちゃくちゃキズが入ったやろ!」
「ドアでカバンが挟まれて、中に入ってたカメラが壊れたやないか!」
今ならばすぐに防犯カメラ(監視カメラ)の映像をチェックして、真偽を確かめたうえでの対応となると思いますが、私が駅勤務をしていたのは昭和50年代だったので防犯カメラなんてものはありませんでした。
鬱陶しいと思いつつ、言われるがままお金を出していたようなんですよね。
それもお金は駅長室など現場で出すことはありません。
必ず本社の担当者から出させていた記憶があるので、会社としてのスタンスも
“面倒な人をかまっている時間がもったいないし、その時間をお金で買うことができるのならばそちらを選択する”
だったような気がします。
「こないだのオバはん、本社から7万もくすめたらしいで、どこから見ても1000円ほどの眼鏡やのにな」
なんてことを助役からよく聞きました。
「電車に乗ろうとしたらドアを閉められて当たってケガしたやないか!」
モノの破損ではなく、負傷したから治療費と通院費と慰謝料を出せ!というのも多かった。
たいていはドアの前でじっと立っていて、閉まり出したら腕を突き出してわざと挟むという手口ですが、これだって昔は証拠となる映像などが何もなかったから、会社は結構言いなりになって出していた記憶がありますよ。
いずれにしても車掌や運転士に直接文句を言ってくる人は、本当にドアに当たるなどして怒っている人で、お金ではなくとにかく文句を言って謝罪してもらいたい人。
ふつうの人という事ですね。
ところが駅長所在駅など大きな駅に行って文句を言う人の中には、お金だけが目的の人が含まれています。
映像証拠がなく鉄道会社側が反論できないことをいいことに、騙してお金を巻き上げたい人が一定数いるのです。
ただ本当に物損や負傷の被害を負う人もいるわけですから、鉄道会社としては区別もつきにくいことからお金を出さざるを得ないという。
今は都心部のホームを中心にカメラの設置が進んでいますから、鉄道会社に対してこの手の詐欺を行う人は少なくなっているとは思います。
詐欺とかではないけど、わざと閉まるドアにぶつかったり挟まれる人もいました。
また機会があればその話も書こうかなと思っています。