軌道回路の短絡? JR千歳線で軌道回路の故障で運転見合わせ

軌道回路を手を抜いて簡単に説明すると、レールに微弱な電流を流しておき、列車の車輪によって2本のレールの間を短絡すれば一定区間内に列車が存在する状態、列車がおらず微弱な電流を短絡させることなく流れておれば列車が存在しない状態。

そしてこの回路の始点に信号機を設置して、列車がいる状態の時はR現示(赤)いない状態ならばG現示(青)やY現示(黄)などにする。

軌道回路って現状の鉄道のシステムではもっとも安全の基礎部分を担うもので、故障や何らかの不具合が生じた場合は列車が存在する状態として、信号機をR現示(赤)にします。

 

2021年12月21日の午前9時30分すぎ、JR千歳線の北広島~上野幌間でこの軌道回路に不具合が発生、1時間半ほど運転を見合わせました。

報道によって少しずつニュアンスが違っていて、「金属片が落ちていた」とか「レールの継ぎ目部分にあった金属片が誤作動」を起こした、「線路の継ぎ目に金属片が付着しているのを発見し除去した」など。

レールとレールのつなぎ目の絶縁部分に何かの原因で金属片が付着して絶縁できなくなり、軌道回路の電流が境界部分を超えて隣の軌道回路へ流れ行ったのかな?

車輪やブレーキの鉄粉なんて常にまき散らしていますから、金属片が飛んでくるなんてのも珍しいことではないですからね。

 

私は25年以上運転士をしていたのですが、この軌道回路の不具合という事象は数年に一回は起こっていた気がします。

最も多かった原因はレールの破損。

ひびが入ったり折れたりすることで軌道回路の電流が流れなくなり、その区間に列車が存在している状態になっちゃうわけです。

車両の重さに耐えかねて折れるのか、気温差によって折れるのか、原因はさまざまですけどこれまでに何度も経験してきました。

一般的には「軌道回路の落下」と呼ばれるこのような軌道回路の不具合ですが、私がいた会社では軌道回路をトラックと呼んでいて、軌道回路の落下のことを「トラック落ち」と呼んでいました。

かなり以前の記事ですが、以下のような記事も書いていました。

トラックが落ちる?

 

大多数の鉄道ではこの軌道回路を用いていますが、車輪によってレール間を短絡させて在線状態を作り出すので、たとえば2本レールの間に針金を置くと同じ状況が作り出せてしまうなど、単純がゆえにもろさも兼ね備えているんですよね。

山手線のワンマン化計画ではこの軌道回路を刷新することも発表されていました。

レールに微弱電流を流す現行の方式ではなく、無線によって列車の位置を把握する方式へ転換するとか。

各地の路線すべてで現行の軌道回路を刷新していくのは難しいのかもしれませんが、設備の故障・トラブルによる運転休止を極力減らすためには、システムの再構築はどうしても必要なものなのだろうと思います。

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