エアセクションって名前は聞かれたことがあると思いますが、Aという変電所からの電気を受電して走行していた区間から、Bという変電所から受電する区間に切り替わる場所で、変電所と変電所の境ということになりますね。
うまく絵を描くことができないので「日本のデッドセクション」様の「エアセクション・インシュレータセクション」というページの画像を参照してもらうとわかりやすいです。
ちなみによく似た構造でエアジョイント(と言うらしいです、私は名前は知りませんでした)と呼ばれる物があり、こちらは1つの変電所区間を何等分かに分けることで、例えば架線の張替え作業を行う際の手間やら、架線が切れたときの作業効率が違ってきます。
また変電所から変電所までを通しの架線にしちゃうと、ものすごく長い架線が必要になるし。
そういったもろもろのことを考えて、同一変電所区間でも架線を細かく分けています。
エアジョイントは同じ変電所からの電気だけが流れているので、力行や回生ブレーキに関して特に注意点はなく、エアジョイント部分に停車しても問題はありません。
ところがエアセクションはそうはいかず、セクション内に停車するとパンタグラフを通じて別の変電所の電気が流れることで(電圧の差によって)発熱し、激しい火花を飛ばして架線が切れる事故を起こすことになります。
ただしエアセクションを通過するときに力行や回生ブレーキを使用しても問題はありません。
何せ一瞬ですから発熱等もほぼ考える必要がない程度で、架線が溶けて切れるようなこともありません。
でも私としては何だか気持ち悪い感じがして、できるだけエアセクションの箇所では力行はしないように運転していました。
遅れ気味の時などは関係なく力行していましたけどね。
※wikiには力行や回生ブレーキは使用できないとありますがウソです。
私が車掌時代には本線路上にウッドセクションがまだ残っており、ここは通過時には力行禁止・回生制動禁止でしたし、エアセクションとは色が違って派手な別の標識が立っていました。
そのほか車庫と本線とのセクションにはインシュレーターセクションも使われていました。
インシュレーターは低速で通過する箇所に用いられることが多く、私が勤務していた会社では30km/h以下での通過箇所にだけ使われていました。
列車が全体的に遅れている時で、先行列車の後のノロノロと運転しているときなどは、エアセクションを気にしながら運転していましたが、エアセクションって信号機の直近には設けないなど割と考えられていたので、その点は安心だったかな。
でも昨日の
JR神戸線:尼崎駅~立花駅間の踏切で自転車が立ち往生した際に、列車を緊急に停止させる信号を受信したJR宝塚線の列車が、架線の切り替え区間に停車したため、架線の確認をしています
みたいに、緊急停車しなきゃいけない時はどうしようもできない。
インシュレーターセクションみたいにセクション部分がかなり短くて、100Km/h以上での通過が可能なセクションってできないかな。
そうすると運転士の負担も相当軽くなるのですけど。