2019年の京急トラック衝突脱線事故で運転士を書類送検

2019年の京急の快特とトラックが神奈川新町駅に隣接する踏切で衝突し、トラックの運転手が死亡したほか77人が負傷して車両は1両目から3両目までが脱線。

この時の京急の運転士が業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の容疑で書類送検されました。

読売新聞の紙面の記事には起訴を求める「厳重処分」の意見を付けて送検されたようです。

神奈川県警としては京急の運転士の過失が大きいと判断したのでしょう。

報道では実況検分などの結果、京急の安全設備は基準に違反している点はなく信号も正常動作していたことを確認。

運転士が特殊信号発光機(特発)の現示に従いただちにブレーキ操作をしていれば、事故は防げたものと判断したようです。

これも読売新聞の紙面に書かれていたのですが、120Km/hで走行時に特発を確認できる場所から1.8秒以内に非常ブレーキを掛ければ踏切までに停止できたものの、当該運転士は4秒経過後に常用制動をかけ、その後に非常ブレーキを使用していることから運転士の過失が大きいと判断したのだろうと思います。

 

 

私はこれまで運転士の立場として、実際に経験したことをもとにこの京急の衝突脱線事故に関して弊ブログに綴ってきました。

神奈川県警が実況検分によって特発などの建植位置には問題はなく、また事故調査委員会が指摘していた、架線柱などによって特発の明滅状態が瞬間的ではあるが断続的に遮られる場面があると夜間の添乗調査で明らかになった点も大きな問題はないと判断されたようです。

つまりは特発が発光すれば、躊躇なく非常ブレーキを投入することを運転士に求めたということになります。

 

実際に電車のハンドルを握っていて、踏切内に立ち往生するトラックが視界に入れば即座に非常ブレーキを入れることができます。

しかし常日頃から通行人の渡り遅れなどで明滅する特発を目にする機会が多い中で、特発の明滅で即座に非常ブレーキを入れることができるのかと言われるとやっぱり難しい。

 

また渡り遅れかな

また瞬間だけ明滅するパターンかな

 

ってどうしても考えてしまいますから。

それに非常ブレーキを投入することで、車内の旅客の転倒などにつながらないかとか、あとでまたクレームをもらうのではないかなどと、どうしても頭をよぎるために非常ブレーキを入れることをためらってしまう。

特発の明滅に関してはこんなふうに考えることがどうしても多いものです。

 

でも運転士は判断職です。

瞬間瞬間の判断によって運転していますから、残念ながら特発明滅2秒後に非常制動投入では遅いという事ですね。

 

京急はもちろんのこと各鉄道事業者ではすべての運転士に対して、特殊信号発行機の明滅を確認すれば間髪入れずに非常ブレーキを投入することと指導されたでしょう。

車内の混雑状況などは考慮せずに、とにかく非常ブレーキを入れろ!と言われているんじゃないかな。

もちろん目の前に人が飛び込んでくれば間髪入れずに非常ブレーキを入れているのですから、できないわけではない。

 

警察もそこまで求めてくるわけですから、運転士は何も考えずに機械のように非常ブレーキを入れれば良いってことでしょう。

非常ブレーキを入れたけども異常は何もなかったとしても、運転士は命令を守っただけ。

急ブレーキによって車内の旅客が転倒してけがをしても運転士は責任は取れませんよ。

 

私はATSの誤動作で勝手に急ブレーキがかかり、車内の女性旅客が転倒し肩を脱臼したとかで、しつこく事情説明を求められた経験があるから、そういった部分も心配ではありますが。

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