5月24日山口県のJR岩徳線の岩国~西岩国間で、錦川鉄道の錦町発岩国行き普通列車にはねられて死亡する事故がありました。
正式な踏切ではなく、いわゆる「勝手踏切」で起きた事故で、JRは線路内立ち入り禁止の看板を設置していました。
勝手踏切の多くは、線路敷設前には生活上必要な道だった箇所が大半で、閉鎖されると相当な大回りをしなくてはならないなど、簡単に閉鎖できないという問題点もあります。
それに勝手踏切は鉄道会社側が認めた踏切や渡線道ではないので、線路内立ち入り禁止の看板のみ設置してあり、警報機や遮断機などは設置されていません。
また原則的に新規の踏切の設置は認められないことから、勝手踏切を正規の踏切へ「昇格」させることも事実上不可能。
鉄道会社側としては立ち入ることを認めていないわけですから、そこへ立ち入って列車と接触した場合は、立ち入ったほうに全面的に非がある、そういうスタンスですね。
今回の岩徳線での人身事故は、携帯電話を見ながら(操作しながら?)歩いていて、列車の接近に気付かなかったために接触したようです。
亡くなった方は20歳代ということですし、ながらスマホによって注意散漫な状態で漫然と勝手踏切に侵入し事故に遭ったのでしょう。
こう書くと警報機があれば助かったかもとか、遮断機があれば助かったかもという声が上がってきます。
でも正式な踏切で警報機や遮断機が設置されているからと言って、必ず助かるというものでもありません。
記憶にある方もおられるかもしれませんが、2021年7月8日に東武東上線練馬駅横の踏切で、ながらスマホの女性が列車に接触して亡くなっています。
踏切内に入り、渡り終える前に警報機が鳴り出し遮断棹が下りてきた。
正常に判断できる状態ならば急いで踏切外に出るでしょうし、遮断棹を押して出ることもできたはず。
でもこの時この女性は、降りた遮断棹の前に立ったままで踏切外へ出ようともしなかったらしい。
ながらスマホによって思考能力が著しく低下していたのでしょうね。
「ながらスマホ」や「ながら携帯」と「踏切」でググると同様の事故が数件ヒットします。
危ないのは踏切だけではなく、ホーム上での「ながら携帯」や「ながらスマホ」もめちゃくちゃ危険です。
スマホに気を取られながらホーム上を歩いていると、まっすぐに歩いているつもりで白線や点字ブロックを超えて、どんどん線路の方へ近付いていくことがあります。
そこに列車が入ってくれば、下手すれば接触して命を落とす危険性も。
実際にながら携帯で歩いていた高校生が、通過列車に接触して亡くなったという事故も経験していますし。
※接触した列車を運転していたわけではなく、ダイヤが壮絶に乱れたのに巻き込まれました
通過列車だけが危ないのではなく、終端駅へ入ってきた列車の側面にながらスマホの人がぶつかり、救急搬送されたケースも知っているだけで数件はありましたし。
25km/h以下の列車に接触しても危険なんですよ。
何かを操作している時ってその操作の方に神経が集中し、周囲の危険察知の能力が低下します。
だから列車を運転しながらスマホでゲームをするなんて言語道断なわけですが、JR九州・・・