電磁直通ブレーキ-2 電空制御器が故障すると

私が乗務員になった頃にはすでに自動空気ブレーキの車両はなく、電磁直通ブレーキと電気指令式ブレーキの車両のみになっていました。

なので機関車やディーゼルカーなどの運転士より数段は運転が下手なんじゃないかな。

「ゆるめ」「運転」「保ち」「重なり」っていったい何?って感じですから(笑)

電磁直通ブレーキは自動空気ブレーキよりも運転は数段楽です。

ただ会社によっては電磁直通ブレーキの車両を運転する機会がほとんどなく電気指令式ばかり。

電気指令式はブレーキの段数(ノッチ)が決まっていて、あまり圧力計を見る必要がない。

ブレーキの応答性が電磁直通ブレーキよりさらに良くなっているので、電磁直通ブレーキより数段運転は楽です。

電磁直通ブレーキは電空制御器によって各車両にブレーキ力を伝えます。

※めっちゃ端折りました

この電空制御器が故障すると各車両へ電気による指令が送られないため、各車両の電磁弁(込め電磁弁と緩め電磁弁)が動作しません。

すると供給空気溜め(供給空気タンク)からブレーキシリンダーへ空気が送られないため、ブレーキが動作しません。

※所定の秒数が経過してもブレーキが動作しなければ予備直通ブレーキが動作しますが

電空制御器が故障したときは締め切ってしまって、直通ブレーキのみで電車を止めることになります。

実際にはこの電空制御器が故障したという経験はありませんし、周りの運転士も遭遇したことはないようですが、一度だけ訓練と称して直通ブレーキのみで運転操作をする機会がありました。

この訓練で使用した編成は6両だったと記憶しています。

ブレーキハンドルを操作して、最後部まで貫通している直通管に空気を込めていきます。

通常は各車両に設けられた供給空気溜めからブレーキシリンダーに空気が送られますが、電空制御器を締め切ると先頭車から順番に直通管に空気が込められていきます。

普段ならば300KPa込めるのに1~2秒ほどだと思いますが、たしか30秒近くかかった記憶があります。

同様に300KPaから全緩めも普段ならば1~2秒ほどですが、やっぱり30秒近くかかったように思います。

こんな状態で下り込んでいる駅に停車させるという訓練だったのですが、とんでもない過走(オーバーラン)をしましたよ。

止まらないことがホームに掛かるはるか前に分かったので、指導役の助役に

「もうブレーキを緩めて通過して」

と言われたのですが、そこからブレーキを緩めても今度は全然抜けてくれません。

ホームをはるかに超えた所でドスーンと停車してしまいました。

※ちなみに訓練ということで予備直通ブレーキも切っていました。

そういえば電磁直通ブレーキと区別するために純直通ブレーキなんて言い方をしていたっけ。

いくら訓練とはいえ、営業路線上でこんなことをするなんて今なら考えられないですけど。

平成になってすぐのころは、こんな訓練もしていました。

でも実際に電空制御器がダメになるなど通常のブレーキが使えなくなった場合には、他車推進で収容するのですけどね。