JRや私鉄各社の2022年3月ダイヤ改正の概要が発表されており、ネットニュースや個人のサイトなどでも様々な意見を交えて伝えられています。
今回の各社のダイヤ改正をざっくりとした言い方をすると、これまでの列車本数増加傾向がついに終焉を迎え、過去のダイヤに少しずつ近づいていくそのスタートを切った、そんなダイヤ改正のような気がします。
多くの会社で終電の繰り上げが行われますが、もともとそんな夜遅くまで運転していなかったものがバブル景気ころを境にして、どんどん終電が遅くなっていった。
それを元に戻していく、そんなダイヤの始まりが今回のダイヤ改正のような気がしました。
もちろんコロナ禍によってラッシュ時間帯の定期券利用旅客の減少や、外で飲食する機会が減っていることで深夜時間帯の利用者が極端に少なくなっていることが最も大きな理由の一つですが、これまでのようなダイヤを維持していると収益が損なわれるために運転本数の減少にかじを切るしか方法がないという判断ですね。
料金を多少を上げてダイヤを維持するよりも、料金はとりあえずそのままで本数を減らす。
値段はそのままでどんどんチョコパイを小さくした上に個数まで減らしてきた食品会社と同じ手法だなと感じました(笑)
列車の運転本数を増加させたり最終電車をどんどん繰り下げていた時代には、担当する乗務員を増員して対処してきました。
ただしその際には、増員とセットで仕業の見直しも行われてきており、一日当たりの乗務量も少しずつ増加させていきました。
簡単に言えば、それまでの一日当たりの乗務量を基準とすると、本来は10名の運転士の増員が必要なところを7名に抑えて運転本数を増やすことにしたために、各仕業の乗務量が相対的に増えていったのです。
運転本数の削減にかじを切ったので、当然ながら必要な乗務員数も低下していきます。
新規の乗務員の増員を抑えるだけで乗り切れる会社はよいのですが、今現在運転士や車掌をしている人を配置転換などで削減していくことを考える会社も当然出てきます。
その際には恐らくですけど、運転本数の削減割合から言えば7人の削減でよいのだが、一日当たりの乗務量をさらに増加させることで10人の削減に踏み切る、ということを言い出すでしょうね。
特に今後の運転本数減少は収支が悪くなっていくことを受けてのものですから、乗務員の一層の削減を鉄道会社は言い出すと思います。
このまま乗務員として残っていても、今よりたくさん乗務しないといけないから大変だよ、といって配置転換だったり場合によっては希望退職を募ることもあると思います。
私がいた会社では、私が乗務員になったころの乗務量を1とすると、運転士を辞めるころには1.2~1.5くらいまで乗務量が増加していましたが、さらに増加を持ち掛けるような気がするんですよね。
そのたびに乗務の職場から人がいなくなり、ラッキーな人は駅勤務、中には全く畑違いの営業職だったり販売職のほか駐輪場の管理などに移った同僚もいました。
50歳を超えている人の中には希望退職に応じて職場を去っていった人もたくさんいました。
おまけにワンマン運転とか運転士の資格がない人を添乗させて運行する計画などもあるので、今のうちに段階的に乗務員を減らしていくということが当然考えられますからね。
勤めている会社は鉄道会社だけど、鉄道とは全く関係がない職種という方が今後ますます増えていくでしょう。
運転本数が減って一日あたりの乗務量も減ってくれればホントに楽なのですけど・・・