原因は枕木交換工事のミス
2月6日6時30分ごろ岸里玉出発 汐見橋行きの担当運転士が、西天下茶屋駅の手前30m付近にある踏切の遮断桿が上がったことに気付いて非常制動を入れるも、踏切待ちから発進した車と接触するという事故が発生。
原因は5日の夜間に行われた枕木交換工事の際のミスが原因(NHKの報道)で、当該踏切から約600m岸里玉出方の架道橋の枕木交換の際に、橋桁と枕木を固定するフックボルトが緩んで一時的にレールと接触したことで、電気回路上列車が在線していない状態となり、当該列車が当該踏切に接近しているにもかかわらず踏切の遮断桿が上昇した(南海の説明文 PDF)
枕木と橋桁とを固定するフックボルトはこういうもので
コンドーテック(株)から画像をお借りしました。
施工不良が原因で緩んでレールと接触したということでしょうね。
良くないことではありますけど、けが人等はいなかったことや、すぐに原因が特定できたことは良かったのかなと思います。
列車が接近すると踏切の遮断桿が上がる
運転士時代にはこのようなことは経験はありませんが、車掌見習の時に同じようなことがありました。
それも連続3つの踏切で。
たしか23時ごろだったと思います。
下り普通列車を車掌の指導員とともに担当中、運転士からインターホンで連絡があり
「前方の踏切が動作していないかもしれないので、踏切の手前でいったん停止する」
この時の私はなにせ見習、この運転士からの連絡のあとに、
「ゴメン、師匠に代わってくれ」
師匠に代わって正解です、この時の私は何を言われているのかサッパリ分かりませんでしたから。
ちなみ私がいた会社では、踏切動作反応灯の確認義務もなければ喚呼もありません。
以前Xに
なんて書かれましたが、ご自身がお勤めの鉄道会社での行動は、他社でも行っているハズと勝手に考え決め付けるのはどうかと思いますけどね。
ちなみに踏切動作反応灯は1956年に私鉄や公営鉄道に設置義務化されましたが、国鉄民営化に合わせた1987年に義務化ではなくなりました。
この時の運転士は、なんだかいつもより暗いなあと思いながら駅に停車していて、私がドアを閉めて出発合図のベルを送ってノッチを入れてから気付いたそうです。
踏切の警報機が動作していないことに。
夜間ですのでいつもならば赤い灯火が当然見えるのですが、真っ暗だったのでおかしいなと思いながら接近していくと遮断機も閉まっていなかった。
無線で報告して、警笛を鳴らしながら最徐行で通過していくうちに、前方の踏切の警報機の赤い灯火が消えたことに気付き、接近すると踏切が動作しなくなるようだと報告。
結局は3つの踏切が連続して、列車の接近とともに動作しなくなるという現象が起きたと。
この時の原因は何にも聞いていないし、聞いても私は理解できなかったと思いますが…
今回の南海電車での原因とよく似ているのかなと、今になって思います。
警報機は動作しても遮断桿が降下しないケース
列車が接近しているのに踏切がまったく動作しないとか、今回のように列車が接近すると動作しなくなるというケースはこれまでにも起きています。
踏切の装置の故障とか、列車の在線を検知しないと言った理由が多いのでしょうか。
ただ警報機は動作しているのに遮断桿が降り切らず途中で止まるとか、まったく降下しないというケースの方が多い気がします。
警報機が鳴っていてもまだ遮断桿が降りていないから急げば渡れる……
みたいに考える方もおられるでしょうが、遮断桿が故障等で降下しないことって案外多いですから、歩行者や自転車の方もちらっとでいいから左右を見て渡る方が良いですよ。
遮断桿が完全に降下していない場合には当該踏切の直近の信号機をR(赤)にするとともに、ATS制動も動作させるっていう装置を導入している社局もありますが、この装置は遮断桿が45度(だったかな?)以上降下していない場合に動作するらしいけど、今回の南海のケースではそもそも列車が在線していない状態で踏切自体が動作していないから、この装置でも防ぐことはできない。
なのでちらっとでいいから左右を見てから踏切は渡る方が良いですよ。