遮光幕ってご存知ですよね。
運転席後ろのカーテンのことで、運転士の後部から入ってくる客室の明かりを遮ることで前方を見えるようにするために設置してあります。
別に隠れるために遮光幕を閉めるのではありませんよ。
客室からの明かりが前面のガラスに映ってしまうためこれを防ぎ、前方注視ができるようにするために閉めます。
真っ暗なときに閉めても嫌な顔をされることもありますが、これはまだマシかな。
困るのが薄暗いときですね。
薄暗いときって遮光幕なんて必要ないだろ!って思われる方も多いですよね。
でもうす暗い時間帯にホームへ進入すると、車内の蛍光灯よりホーム上は上屋のおかげですごく暗い。
まぁ言ってみれば夜中と同じ状況なんですよ。
なので薄暗くなれば当然遮光幕を下ろします。
困るのが後ろでへばりついて前方の景色や運転士の様子を見ている人。
薄暗くなって遮光幕を閉めたら、たいていはこちらに聞こえる程度の声で文句を言ってますよ。
子供が見ているのは分かっていたのでギリギリまで遮光幕を開けて運転していたのですが、もう無理ってところで閉めた私。
そうしたらその子供の母親らしき人が子供の父親に対して
「開けてもらい」
って言った声が聞こえてきました。
するとその父親が
「ゴルァ!!なに閉めとんじゃ!開けんかい!」
ってとんでもない大きな声で文句を言いだしました。
それまでは他のお客さんの声も聞こえたのですが、それからはその父親の声だけが客室内に響きます。
無視して運転していたら次の停車駅でホームへ降りて、乗務員室の側開き戸をがんがん叩きながら
「うちの子が見とるの分かってて閉めたんか!」
説明してもわからないなと思いながらその人の怒鳴り声を聞いていたのですが、車掌がドアを閉めて出発の合図を送ってきました。
当然電車を出発させた私。
文句を言おうが知ったことではない。
今度は客室から母親の文句が聞こえてきましたがそれも無視。
数駅先で子供とともに母親は降りてホームから私に文句を言ってきました。
「お金を払って乗ってるんやから景色くらい子供に見させてよ!」
遊園地の乗り物ではないし別に謝ることではないため話だけは聞いてあげましたが、また車掌がドアを閉めて出発の合図を送ってきたので無視して出発。
この親たちが駅などに苦情を言ったのかは分かりませんが、後で怒られることもありませんでした。
ただ最近は
「子供が前を見てるのに運転士がカーテンを閉めた」
というクレームを本社に送る人もいるようですね。
助役から聞き取りは一応されるようですが、その時間から閉めるのが妥当と判断されて怒られることはありません。
あまりひどかったら昔の国電の運転士みたいに、1日中遮光幕を閉めっぱなしで運転してやろうかな・・・
なんて思うこともよくありました。