今回のタイトルの“出庫させる車両を間違えた”ですが、忘れたころに誰かがやってしまうミスなんです。
今回は乗務員が間違えるケースです。
私がいた会社では、原則的に出庫は運転士とともに車掌も車庫へ行かなければいけません。
ドアの開閉のチェックのほか、非常ブレーキ(昔ならば車掌弁)や電鈴合図用のベルにマイク、車内の状況(汚れていないかなど)のチェックは車掌が行うことになっていますから。
朝早い時間の車庫には当然ながらたくさんの車両が止まっています。
たくさん止まっていると車両番号や編成番号が1番違いの編成が隣同士で留置されていて、ついうっかり間違って隣の電車に乗り込んでしまうことが起きちゃうのです。
電車好きな人たちには考えられないことかもしれませんが、あまり電車に興味のない私のような乗務員はやっちゃうのですよ。
たいていは車掌とペアで車庫へ向かうのでどちらかが気付いて間違いは防止されるのですが、私がやっちゃったときは車掌と魚釣りの話で盛り上がってしまって、何の気なしに乗ってましたね。
ハンスコ(手歯止め)を外して車両に上がり、蓄電池スイッチを入れてパンタグラフを上げてる。
そのあと列車無線の通話試験を兼ねて開局を行うのですが、出庫の際に編成番号と留置番線をメモ書きした紙を見て
「おい!これ電車違うわ!」
と車掌に声をかけて正規の出庫させなければいけない電車に乗り換えたのですが、この時は編成番号は1番違いだったのですが、留置番線は全然違うところでした。
話をしながら車庫内を歩いて、よく似た編成番号の車両が目に入って、留置番線を確認しないで乗ってしまったのでした。
私は出庫させる電車を間違えたのはこの1回だけでした。
こんな感じですぐに気付いて正規の編成に乗り換えれば遅れも出ないし特に問題はないのですが、たまに全く気付かず出庫が遅れるケースもありました。
私がいた会社では構内無線や入換無線などもなく、無線はすべて運転指令とのやりとりなのですが。
車庫内の入換信号機が現示されてもなかなか車両が出庫しないときは
「○○車庫〇番線の出庫車両、速やかに出庫してください!」
運転指令から無線が流れてもなかなか出庫しない。
それで別の番線の車両の運転士から
「○○車庫△番線の第○○列車ですが、まだ入換信号機が現示されません」
という無線が運転指令に入ってしばらくすると
「○○車庫△番線乗務員、乗り間違えています!〇番線に乗り換えてください!」
慌てて乗り換えるわけですが、点検した?って感じで出庫していくわけです。
どうしたって5分以上は遅れます。
それでもって公表される理由は
“設備点検のため・・・”
“信号機のトラブルのため・・・”
“車両点検のため・・・”
場所などをはっきり説明しないこれらのケースの場合は、鉄道会社内での何らかのミスがあったと思って間違いないです(笑)