女性専用車両での対応に車掌も助役も本当に苦労していました
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女性専用車両での対応に車掌も助役も本当に苦労していました

車掌

痴漢や盗撮から女性を守るため

これまで電車で通勤・通学したことがなかったけど、4月になって初めて利用するという人もおられるでしょう。

特に女性とその保護者の方は満員電車に乗るという心配のほか、女性ならではの心配事もあります。

痴漢や盗撮の問題です。

混雑する路線に限らず、あまり混んではいない車内においても卑劣な犯罪は行われています。

私が車掌や運転士として乗務しているときに、痴漢についての申告などは一度もありませんでしたが、これだって申告がないだけで実際には被害に遭っている女性って多いと思うんですよ。

駅勤務をしていた頃は駅長室で何度か痴漢の被害者の対応をしたし、痴漢の犯罪者を警察へ引き渡す場面も何度も見ました。

助役になってからは(6か月しかしていませんが)2度ほど、痴漢の申し出に関して対応をしたことがあります。

なので、女性を痴漢や盗撮の被害から守るためには、女性専用車両は有益だと私は思っていますが…

 

 

専用ではない女性専用車両

しかし、女性専用車両自体を反対して乗り込んでくる団体や個人もいますし、女性専用車両があるのならば男性専用車両を設けろ!なんて言う人もいるようですしね。

現場で働く駅員・乗務員・助役は女性性専用車両というものは法律で定められたものではく、あくまで乗客(男性)の協力のもと会社が主体となって実施しているものであるということは重々承知しています。

ただ会社の上層部からは、

「女性専用車両に乗車している男性旅客に対して、協力してもらえるように案内しろ」

と言われますがその一方で、

「あくまで協力してもらえるように求めるだけで、強制的に排除はできないから言葉遣いは慎重に」

「女性専用車両の趣旨を説明しご理解いただいて、他の車両へ移ってもらうようにしろ」

上層部からはこんな感じで「命令」されるわけで、女性専用車両に乗り込んでくる男性と対峙しなきゃいけない。

それも「法的な拘束力のない鉄道会社のサービスの一環」であり、鉄道会社が勝手に協力を求めることに反対し「我々は協力はしない」ということを熟知しはっきり表明している男性相手に。

ヒラ社員である車掌や、管理職の補佐(言い換えればただのパシリ)である助役にだけ押し付けられても、正直言って迷惑なんですよ。

私も助役の時に数回女性専用車両に反対する団体や個人に仕方がなくお願いしに行きましたが、ものすごく圧力を感じる言動をしてきます。

下手したらこちらの様子を動画で撮影されて、YouTubeなどにアップされたりしますし。

※私の動画はアップされていないようですけど

とにかく会社の上層部と協力はしないと明言している団体や個人とに挟まれて、こっちの精神状態がどうにかなりそうですよ。

実際にお願いしに行ってボロカスに言われ、さらにYouTubeにアップされたことで、これ以上女性専用車両に乗車する男性の対応をするのは嫌だと、車掌の職からまったく別の部署に異動願を出して乗務職場から去っていった人が複数いました。

 

女性優先車両に名前を変えれば

鉄道営業法34条には

「制止ヲ肯セスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」

2項には

「婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ」

とあります。

これを適用すれば済む話なのですが国交省が

「鉄道事業者において輸送サービスの一環として導入された女性等に配慮した鉄道車両」

という定義づけのもと

「法的な強制力はなく、利用者のご理解とご協力のもとで成り立っているもの」

こういう立場ですから、言ってみれば国も各鉄道社局に丸投げしている状態で、正直なところ現場で働く者はたまったものではない。

 

実際問題として、別料金も取らずに1両丸々専用車に充てるというのは、同じ料金で乗車している他の乗客との不公平感も当然出てきます。

一般の車両が満員なのに、女性専用車両は比較的空いていてゆっくり乗れる、という状態もよく目にしますし。

特に女性専用車両の前後の車両の混雑が際立っているように思います。

 

女性専用車両を名乗るのならば、鉄道営業法34条を適用する。

適用しないのならば「女性優先車両」と名称を変えて、「あくまで女性が優先されますが男性も問題なく乗車できます」とするほかないのかなと思います。

とにかく今のあやふやな状態は解消すべきだと思いますし、特に国交省の丸投げ体質を改善してもらわないと、利用者も働く者も本当に迷惑しますから。

 

2022/4/4の記事をリライトしました

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