・3月30日いわき市のJR常磐線湯本駅で停止位置の約10メートル先で停止
・10日JR横須賀線鎌倉駅で下り普通電車が約5メートルオーバーラン
・13日JR常磐線のJR柏駅で停車位置を約240メートルオーバーラン
・17日JR東海道線の彦根駅の停止位置を約800メートル通過し踏切上で停車
しかし5mとか10mでオーバーランだと報道される時代なんですね。
このブログでは何度も指摘していますが、いわゆるオーバーランという言葉は少なくとも私が勤務していた会社では用いていません。
5mとか10mの行きすぎは過走と呼ばれ、止める意思はあったけど止めることができなかったというケースですね。
雨でブレーキの利きが悪かったとか、一瞬ストーンと眠りのツボにはまったというものです。
それに対して240mとか800mの行きすぎは誤通過といって、停車駅なのに通過駅と勘違いするなど止める意思がなかった場合のケースです。
800mも行き過ぎって130㎞/hで走行中に通常のブレーキをかけた場合、平たんな場所で約850mの制動距離が必要なのですよ。
最近の車両ならば全制動で800mほどで止まるんじゃないかな。
非常ブレーキを入れた場合680mくらいの制動距離となるから、駅を完全に通過してから非常ブレーキを投入していることに。
車掌さんが非常ブレーキスイッチを操作しているらしいけど、それでもちょっと操作するのが遅いんじゃないのかなって個人的には思います。
私がまだ車掌になりたてのころの昭和50年代後半に本当にあった話です。
ある高架の駅で過走しちゃったそうです。
たぶん1両分くらいだったと記憶しています。
先頭車両はホームから完全に飛び出しています。
なのに車掌がドアを開けてしまいました。
先頭車両から降りようとすると、そこはホームではなく高架線路上。
あるお客さんが降りようとして足を踏み出そうとしたときにホームが無いことに気付きました。
何とか落ちずに済みましたが、後ろからは早く降りろと他のお客さん。
運転士がお客さんたちに
「すいません、バックします」
とだけ言って勾配を利用して本当にバックしたというのです。
全車両のドアが開いたままでコロコロと転がっていく電車。
でも新聞記事になることはありませんでした。
今ならば運転士も車掌も別の職場に異動と降格などの処分が待っているでしょうし、所属上長たちも処分されるでしょうね。
でもあの時はその日一日だけ乗務から外されたけど、次の日からは普通に乗務していましたからね。