黄色い色が多いのですが、最近は会社によっては別な色をまとったモーターカーも多いようです。
保守作業用の車両は鉄道車両ではなく機械という扱いで、本線路上を運転するにあたって免許も必要ありません。
ただしいろいろな制限があって、線路閉鎖と言っていわゆる列車が走行できない状態にすることや、最高速度が45㎞/hまでなどが決まっています。
線路閉鎖しているハズが、ある駅に入場しようとしたら作業車が停車していて入駅できず、そこそこ長い時間駅外で止められた経験が何度もありますが・・・
私が勤務していた会社では今は作業するにあたって、例えば現場までバラストを運んだりレールを運搬するのもモーターカーを使っていますが、私が会社に入社するずっと以前はモーターカーで運搬するのではなく、牽引用の車両を運転士が運転していたといいます。
私が駅勤務だった昭和50年代ですが、運転士から駅勤務へ異動した方がよくその手の話を聞かせてくれました。
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昭和の時代は私が勤務する会社では、運転士は45歳まで車掌は55歳までしか乗務できず、誕生日を迎えると駅へ異動することになっており現場では一般的に“乗務定年”と呼んでいました。
車掌の55歳という制限はその当時は定年退職年齢が55歳だったためで、定年延長が実施されてからもしばらくの間は車掌の乗務定年は55歳のまま据え置かれていました。
運転士の45歳という制限は、やはりそれだけ過酷な仕事だったために設けられていたそうです。そう思うといくら保安設備が整ったとはいえ、定年後の再雇用で65歳まで運転士を続けることが良いことなのか、疑問に思います。
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夜23時ごろ出勤して作業の準備をします。
最終電車が入庫するころにバラストを積んだ列車を出庫させ、現場へ向けて運転をします。
現場に着くと停止位置を少しずつ修正させて、作業員がスムーズにバラストを下ろせるようにします。
下ろし終わったら作業の邪魔にならない場所へ移動させます。
作業が終わったら作業員を乗せて車庫へと戻っていきます。
つまり作業中は特にすることもなく、本を読んだりうたた寝して時間を潰すだけ。
夜間作業とはいえ運転士にすれば終夜運転よりよっぽど楽ですよ。
それでもって深夜時間帯の残業ですから手当もすごく高額ですし。
この夜間作業の列車を運転したい運転士もかなりいたそうです。
さまざまな保守用の作業車(モーターカー)が出現したため、運転士の夜間作業という残業はなくなりました。