迷子-3
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迷子-3

車掌として乗務していて、本当に子どもの迷子に遭遇したことが2度ほどあります。

一度はお母さんが子供を駅に置き去りにして、自分一人で電車に乗っちゃったという事案。

もう1件はお母さん一人で駅で降りちゃって、子供をおろし忘れたという事案です。

まだ独身だった私は

「こんな無責任な親って信じられん!」

ってマジで怒り心頭になったことを覚えています。

ほかにも子供を連れていたとか、荷物が大量にあってそちらに気を取られて、子供も一緒に降りた(乗った)つもりだったのが理由ですけどね。

 

運転士になってからも何度か迷子に遭遇したことがあります。

その中で印象的だったのは、迷子になって一人ぼっちになったのにずっと笑顔を見せていた子供のことです。

普通列車を担当していたのですが、気が付くと仕切り開き戸のガラス部分に懸命に手を伸ばし、たぶんきつい体勢だったはずなのにニコニコしながら前方を見ていた子供がいました。

たしか平日のお昼前で車内は閑散としていたと記憶しています。

小さな子供が必死で前を見ている様子は微笑ましいのですが、一人で立って見ているとカーブに差し掛かった時やブレーキを操作を行ったときに転ばないかなって、結構そっちが気になっちゃうのです。

駅に停車中に後ろを振り返ってみたのですが、その子供の保護者らしい人が見当たりません。

ちょっと離れた場所に座っているのかな・・・

出来たら子供を後ろで支えてほしいのだけど・・・

 

2~3駅進行したあたりで無線が入りました。

「列番○○の車掌、3歳の男の子で赤色の服に青いズボンをはいた子供が迷子になっています。車内巡回を行ってください」

続けざまに

「列番○○の運転士、△駅停車後に指令に連絡願います」

迷子の捜索かぁって、いま後ろで見てるこの服装がドンピシャだけど・・・

駅に停車させて無線を入れます。

「今運転台の後ろに立っている子供がそれらしいのですが・・・」

結局駅員にその子供を引き渡しました。

後ろに立っていた時もニコニコしていたし、駅員に連れられて行くときもニコニコしていました。

制服姿の人と一緒に歩けたのがうれしかったのかな?

 

 

お父さん・お母さんと一緒に電車に乗っていて、その子供はずーっと運転台の後ろにへばりついていた。

降りる駅が近付きお父さん・お母さんのもとに連れ戻され、一緒に電車から降りた。

でもドアが閉まる瞬間にその子供だけが飛び乗ってきたようでした。

慌てたお父さん・お母さんは降りた駅で駅員に事情を説明して、駅から運転指令に連絡して無線が入ったということです。

 

子供が一人で急に飛び乗ってくる。

ごくたまにあるようですよ。

飛び乗るまではしないにしても、出発していく列車に走って近付くなどけっこう危ないことを平気でしてしまいます。

なのでホーム上では小さなお子さんは必ず手をつないでいてほしい。

車内でも小さな子供がこけたりしないように、手をつないでおくと支えておくとかしてもらいたいです。

スマホばかりに気を取られず、自分の子供を守ってください。

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