おそらくですが、今でも鉄道の橋梁やトンネルを近道として利用している人っていると思います。
私が勤務していた会社のある橋梁も、昔はホントに近道として利用している人が多かった。
私も何度かその橋梁上を歩く人を目撃して、急気笛や非常制動を入れたことがあります。
女性は走って逃げていくのですが、男性の中には逆ギレしてこちらに文句を言う人もいましたよ。
「ここを通らな遠回りなんやから仕方がないだろ!」
私が所属していた乗務区が担当する路線で、トンネルを近道として利用される個所は無かったのですが、他の乗務区の乗務員によると歩かれることが多いトンネルはやっぱりあったようです。
鉄道って曲線が苦手で、道路のような急カーブなんて設置できない。
路面電車のように短い車体ならばある程度の急曲線も通過できるのですが、20m近くある車体になると急曲線を通過するのが難しくなります。
なので山や丘でも川や池でも、とにかく直線で線路を敷くためにトンネルを掘って橋を架けるわけです。
周囲に人が歩ける橋やトンネルが無い場所では、つい鉄道の橋梁やトンネルを使ってしまう。
その気持ちは分かるけど、やっぱり危険なんですよね。
私が所属していた乗務区が担当する路線で、日中の運転間隔がもっとも開いていても15分だったかな。
優等列車が走行する路線になると、日中でも5分に1本以上は走っている計算に。
しかもこれって一方向のみですから、上下を合わせると数分に1本は走っていますからね。
それだけ電車が走っている橋梁やトンネルなのに、地元の方々は平気な顔をして歩いています。
先ほども書きましたが、何度かは橋梁上で急気笛を吹鳴して非常制動を入れたことがあります。
もう少しで接触するという事態もありましたしね。
ただ近年は都市部の鉄道ではやや背の高いフェンスを設置するなどして、線路内への侵入がしにくくなるような対策を取っています。
私が今回記事にした橋梁も上り方には踏切があり、その踏切と橋梁の間に木が生い茂っていて人は通常歩かないだろうという箇所なのですが、そこから橋梁を渡る人は入ってきていました。
木が生い茂っているだけの場所なのですが、いまはフェンスが設置されています。
橋梁の下り方は川の堤防につながっていて、その堤防は割と高いから上り下しにくい、つまり人は入っては来ないだろうということで柵などは無かったのだろうと思います。
今は堤防上にもフェンスが設置されています。
とにかく軌道内への侵入については、今はとにかくピリピリしている。
そんな印象を受けるのです。
元々は軌道内へ勝手に入ってくる人が悪い(無断侵入)という考えがあって、列車と接触したって入ってくる者が悪い!で片付けられていたのですが、今は入れるスペースを放置した鉄道会社側が悪い!っていう真逆の風潮がありますからね。
これからもフェンスや柵の設置はどんどん増えていくでしょうね。