一般的に鉄道公安官と呼ばれていた正式名称・鉄道公安職員は国鉄の職員で警察官ではありませんでした。
そしてあくまで国鉄の職員だったために、私鉄には一切関知していませんでした。
駅構内や車内で事件等があれば所轄の警察が担当していました。
鉄道公安官という制度が無くなったのは、国鉄がJRへ変わったときです。
私はてっきり鉄道公安官はみんな横滑りで鉄道警察隊へ入隊したのかと思っていたのですが、警察官採用試験を受けたようですね。
それにみんなが警察官採用試験を受けたわけではなく、そのままJRに残った人や退職しちゃった人もいるらしいし、警察官採用試験を受けて警察官になったものの鉄道警察隊ではなく地域課勤務になった人もいたらしいし、かなり人生が変動したのだろうなぁって思います。
まだ国鉄があったころ、私鉄の車内に警察官が乗車してくることはほとんどありませんでした。
ところが国鉄がJRに変わる際に鉄道警察隊が発足し、鉄道警察隊の警察官は車掌室に限って添乗(警乗)することが許されました。
国鉄がJRに変わったのは昭和62年4月1日で、私が車掌から運転士見習になったのが同じ年の夏だったので、残念ながら車掌の時に警乗に当たったことはありませんでした。
今でも覚えている車掌の時の講習で聞いた話ですが、鉄道公安官は運転室への添乗も許されていた関係で、鉄道警察隊の警察官が国鉄時代と同じように運転室への警乗を申し出てくることがあるかもしれないが、規則で車掌室または客室しか乗車できないと断るようにと言っていましたね。
私が運転士になってからは運転席への警乗を要求されたことはありませんが、何人かの運転士は実際に要求されたと言ってましたね。
鉄道警察隊発足当初は車掌室への警乗もよく行われていましたが、いまはたいていの場合客室に乗っているようです。
年末などは警察官が車掌室へ警乗してくれたらどれだけ安心できるか・・・
やっぱり酔ったお客さんが多いとどうしても車内でトラブルが発生しがちになるので、そんな時に警察官といっしょに対処できれば車掌としてはホントに心強いですからね。