11月23日、JR奥⽻線・天童南~天童間で線路内に何か障害物があると下り普通列車の運転士が停車して確認したところ、どうもひかれたような遺体だったという一件がありました。
おそらくですが、発見した列車の1本前を走行していた列車と接触して、お亡くなりになった遺体だったのでしょう。
私が勤務していた会社でも似た事例はいくつかありました。
鉄道の人身事故で死亡に至るケースって車両の正面に接触するケースが多く、運転士の監視範囲内であることからたいていは気付くものです。
大きな音や振動も伝わってきますし、目が合うときもありますしね。
ところが正面で接触しているのに気付かなかったというケースもありました。
続行の運転士が軌道内に異物が転がっており、血がかなり付着しているという無線を入れました。
発見した運転士が降りて確認したところ遺体だったという、今回の奥羽線でのケースと同じですね。
私がいた会社のケースでは、1本前を走行する列車を停止させて確認したところ、スカートの部分がへこんでおり血が大量に付着しており、この列車が起こした人身事故だろうとのことに。
ところが当該列車の運転士はまったく気付いておらず、そのまま走行を続けていたのです。
居眠り運転だったのでしょうね。
今なら大変な騒ぎになるところですが、昔はこのようなことがあっても公表することはなかった・・・
あとは、踏切を少し過ぎた下り線路内に何か黒くて大きなものが落ちていると上り列車の運転士が無線で報告。
その場所に接近していた下り列車はすぐに非常制動を入れて停車したものの、黒い物体が落ちている場所を過ぎていた。
そこで運転士は車掌に対して、黒い大きな物体を確認しに行くように指示し、運転士も現場へ走って向かった。
車掌は黒い物体をまじまじと眺めて
“いたずらでマネキンを置かれたんだ”
と判断し、頭の毛の部分を持って持ち上げた。
そこへ運転士が駆けつけ
「運転士さん、マネキンが置かれてました!」
車掌が持っているその頭を見た運転士が
「それ遺体の頭や!」
首のところでちぎれており、車掌が持った頭からはぽたぽたと血が・・・
1本前の列車を助役たちが確認したところ、先頭車ではなく編成の中間あたりに接触した痕跡が残っており、その事故の瞬間を目撃した自動車を運転していた人によると、踏切の遮断棹を押し上げて通過中の列車にぶつかりに行ったとのこと。
走行中の列車の側面、それも何両か後ろの車両の側面となると、運転士も車掌も音や振動に気付くことはありません。
なので人身事故が起こったとしても、運転士は気付かぬまま列車を走らせ続けるわけですね。
踏切などで列車の側面部分に人が接触するというのはレアなケースですが、ホーム上となるとよくある人身事故になってきます。
特に酔っぱらって千鳥足でホームを歩いていて、入駅してきた列車や動き出した列車の側面に接触する人身事故は多いですからね。