地域によって違うのか、会社によって違うのかは定かではありませんが、私が勤務していた会社ではそろそろ新人運転士が独車(一人)で列車を担当しだすころです。
運転士見習として11月の末頃から指導員(教導・師匠)と一緒に乗務員室に入り運転技術の習得に励んできて、そろそろ操縦試験が終わって免許証をもらうころ。
ちなみに私は昭和63年3月22日に甲種動力車操縦者免許を取得していました。
免許証は運輸局へ受け取りに行くのですが、個人で行くのではなく会社単位で動きます。
大きな会議室へ入って簡単な受領式というのかな、会社からの代表者の一名が運輸局の鉄道部の部長から免許証を受け取ります。
卒業証書を校長から受け取る感じですね。
残りの人は名前が呼ばれて返事して起立というスタイルだったと記憶しています。
部長から簡単な訓示を受けたような気がします。
会議室から出て階段を下りていくと、私たちの次に免許証を受け取る一団が待っていました。
どこの鉄道会社だったのかは分かりませんでしたが、ただ同じ日に免許証を交付されるのは確かですね。
やっぱり運輸局側の都合かな?
免許証を受け取り、会社内でも正式に運転士に登用という通知を受け取って一人前になるわけですが、この翌日から一人の運転士として乗務するわけです。
私が勤務していた会社では、とりあえず一番最初の乗務の時には助役が必ず添乗することになっていました。
やっぱり不安ですからね、いきなり一人で運転するのって。
ただ私には誰一人添乗なんて来なかったんですよ。
交代する列車は2分ほど遅れて到着し、途中の駅で優等列車に抜かれるダイヤでしたから、とにかく抜かれる駅までに遅れを取り戻さなきゃと思い、相当無茶苦茶な運転をしましたから添乗が来なくてラッキーでしたけどね。
私の場合は最初からぶっ飛ばしては全制動で止めていくという運転をしましたから、新人運転士としては異例の度胸がついたかもしれないです。
私の場合は緊張感を感じることなく運転士としての初日を無事終えたのですが、疲れはハンパなものではなかったです。
私の場合はちょいと異例な状態でしたが、それでも大半の運転士は初日の乗務を終えるころには相当疲労感に襲われると思いますよ。
また春先って天気が急変することもあって、冷や汗を流しながらの初日の乗務となる運転士もいることでしょう。
運転士によっては乗務初日に人身事故に遭遇することもありますしね。
運転士初日だとしても、お客さんから見ればベテランだろうが新米だろうがみな同じ。
でも経験や技量の差はメチャクチャ開いているのも事実ですから、3年ほどの間は一人で運転の技術を向上させるための勉強期間だと思って頑張ってください。