まいどなニュースに出ていた記事。
駅ホームでの日傘使用に「ダメだろ」「危ない」問題視する声続出 鉄道会社「飛ばされる可能性が」
最近は男性でも日傘を使用する方がおられますし、学校によっては登下校時に日傘または日傘が無ければ濃い色の雨傘を差して熱中症予防対策としているところもあるほど、日傘を利用することがかなり多くなっています。
少し前までは大人の女性が使用するものというイメージだったのですが。
私が乗務していた当時もホーム上で日傘を使用される女性のお客さん少しはいましたが、ホーム上で使用されて困ったケースは雨傘の方がはるかに多かった。
使用する人の数がまったく違っていましたからね。
白線や黄色の点字ブロックを超えることなく立ち、傘をまっすぐ上に差している場合でも実はかなり危険なのです。
だって傘を開けばその端っこ(露先)は白線や黄色の点字ブロックを超えているわけで、いくら小さめの日傘であってもかなり列車に近接する場所にあります。
まいどなニュースの記事にもあるように、列車通過時には傘が飛ばされる危険性がかなり高いし、到着する列車の車体に傘が接触することもあります。
私ではありませんが、同僚がホームに停車させるべくブレーキをかけている最中に急に傘が飛び出て来て、非常ブレーキを入れる暇もなく車体に傘が当たった。
傘を差していた人にケガなどはありませんでしたが、接触した傘は軌道内へ落ちて行き車両に巻き込まれた。
結局5分ほど停車してダイヤがそこそこガタガタになったことがありました。
そこまではいかなくても、傘が車体に当たるケースって多いですからね。
傘の先(露先)が車体に当たると、乗務員室内にはゴン!という音がかなり響いてきます。
傘を差している人って自分は安全な場所に立っていると思っているため、傘が飛び出ていて危険だから運転士が警笛を鳴らしたところでそれに気付かないし、自分に対して警笛が鳴らさているとは思わない。
中には音楽などを聴いているために、警笛が鳴らされていることも分からない人もいると思いますが。
まぶしいし、暑いから仕方がないだろ!って感じの人もいるのかな。
乗車待ちの列に並びながら傘を差すと、後ろにいる人に当たることもよくある話で、背の高さの関係で傘が目に直接当たりそうになることも珍しくはなく、このあたりはマナーに頼るしか今のところ手立てはないのかもしれません。
まいどなニュースの記事には書かれていませんが、ホーム上で傘を差されると車掌からしても怖い思いをすることが多いのです。
今停車している列車ではなく、次の列車に乗車するために並んでいるお客さんが傘を差しているとき、車掌が乗降状態を確認してドアを閉めるわけですが、傘が邪魔でその傘の位置から前方が本当に見えにくいことがあります。
傘が視界を遮っているので、いつもは使用しない車外マイクを使って傘をもう少し下げてくださいなんて放送したところで、ほぼ100%無視されます。
運転士が気を利かせて合図を送ってくれて何とかドアを閉めることができても、出発時には出発監視(側方監視)のために顔を出すのですが、ちょうど傘の先が顔スレスレのところにあるのでかなり怖いですよ。
出発監視の時に傘の先が当たりそうだったから、手で押しのけたという猛者な車掌もいましたけどね。
乗務員目線で言うとこんな感じになりますが、ほかにも上屋(屋根)のあるホームなのに傘を差したまま歩く人もいるし、自動改札の通過時に傘を差したままっていう人もいます。
上屋のないホームもありますから、一律でホーム上で傘の使用を禁止するというわけにはいかないと思います。
なので傘を差したまま乗車の列には並ばないとか、周りに人がたくさんいる場合は傘を差さないといった、マナーに頼るしかないのかな。
とにかく危険なんですよ。
周りの人を巻き込む危険性があるから少し考えてもらいたいです。