通過しようとしたら作業をしていた

鉄道は終電から始発までの間の時間を使って、整備や作業などを行うことが多いです。

ただ夜間時間帯の騒音問題やら作業員の人手不足に労働環境改善などにより、昔より日中の作業が増えたような気がします。

それでもレールや架線の交換など、列車が走っていない時間でなければできない作業もまだまだ多いですけどね。

 

大掛かりな工事や作業もあれば、それほど大掛かりな作業ではないけれども、列車運行中にはしにくい作業というものもあります。

例えばホームの点字ブロックの新調だったり、上屋の蛍光灯をLEDに替える作業などもそうですね。

またホーム自体を改良する工事などは、お客さんがいては進めることができません。

私は下りの最終電車の1本前を担当していました。

始発のターミナル駅を出発するときには、車内はお酒が入ったお客さんなどでかなり混雑していました。

それでも終点に近付いてくると車内は閑散とし、車掌の車内放送が反響して運転台に座る私の耳にもはっきりと聞こえる状態になっていました。

終点に到着して駅員やガードマンなどと一緒に寝込んだお客さんを下ろしていき、車内が空っぽになったことを確認してから車掌がドアを閉めます。

この時のダイヤでは最終電車はこの駅に留置となり、乗務員も区外泊としてこの駅の乗務員用の寝室で仮眠をとることになっていました。

しかし私が担当していた列車は最終の1本前。

折返し回送で乗務区のある駅まで走行し、その駅で留置することになっていました。

 

駅を出発し、しばらく走行すると下り最終列車とすれ違います。

これでこの日の下り列車は終了で、この後すれ違うとしたら作業車のみですね。

闇夜の中を回送列車を快調に飛ばしていると駅の明かりが見えてきました。

この駅に向かって線路は上り勾配でやや右方向にカーブしています。

勾配を上りきったところでホームがはっきりと見えるはずなのですが、何だか明かりが見え隠れしている。

ホームの際に足場が組まれているのが分かり慌てて非常制動を投入。

見えてから非常ブレーキを入れたところで止まり切れるわけがない。

ホームを通過しながら様子を見てみると、その足場はホームの点字ブロックより線路側、車体ぎりぎりのところにホーム有効長いっぱいに組まれています。

足場に上って作業している(足場を組んでいたのかな)作業員の悲鳴らしき声も聞こえてきました。

 

列車が停止したのと同時に車掌が様子を見に行くために線路を走っていきました。

私は運転指令に事情を報告してから現場へ走っていきました。

けが人が無かったこと、列車との接触もなかったことを確認してから運転再開。

たぶん20分近くは止まっていたんじゃないかな。

 

下請けの清掃業者だったらしく、上屋の掃除のために足場を組んでいたそうですが、駅の時刻表で上り最終列車が出発したことを確認してから作業に入ったそうですが、回送列車が走ってくるとは想像もできなかったとか。

せめてダイヤを持った設備担当の係員を配置しろ!

という、当たり前のことを言って幕引きとなりました。

しかし心臓に悪かったですよ。

足場の一部が車両前面のガラスに接触し突き破っていたら・・・

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