制服のある会社や学校では当然ですけど、冬服と夏服がありますよね。
そして残暑がまだ続きそうだと判断すれば夏服着用期間の延長が指示されるし、思ったほど暖かくならないと判断すれば冬服着用期間が延長されたりします。
普通はその時々の気候によって判断されますよね。
ところが1シーズンだけ困ったことがありました。
それは全車両の冷房化が完了した年のことでした。
それまでは10月になってもまだ暑そうだと判断されれば、夏服での勤務も認めるという指示が出されていたのに、すべての車両にクーラーが搭載された年の秋は
「暑いにしてもクーラーが搭載されたのだから極端に暑いと感じることはないので、規定通りに10月1日からは一斉に冬服を着用すること!」
たしかに非冷房車と冷房車とでは雲泥の差があるけど、冷房車だからと言って快適に乗務できるとはかぎらないのに。
まだ暑いから冷房をガンガンに効かせて運行する列車の乗務員は、なぜか真冬の格好。
お客さんの中にはTシャツ一枚なんて人までいるのに・・・
この手の指示を出すのは本社勤務の人なのですが、本社内って冷暖房完備なビル。
それに比べて乗務員室は四方がガラス張りで、日光をいやでも浴びるような状態での勤務になる乗務員。
そんな中を冬服を着て、汗をだらだら垂らしながら乗務していました。
私はこの時まだ車掌だったので、乗務員室で直接日光を浴びるぐらいならば、車内巡回に入って太陽をよけて冷房が効いた客室を散歩するほうがマシです。
さすがに多くの乗務員からクレームが相次いだために、次の年の秋からはまた夏服着用期間が延長されるようになりました。
ただしこの年はかなり涼しい秋で、別に10月1日から一斉に冬服でも問題なかったかもって感じでした。
今では1カ月くらいは夏服着用期間が延長されるのが定位じゃないかな。
昔と違って10月にはいってもクソ暑い日が多いから、そうじゃないと仕事どころじゃないですからね。
そういえば昔は日が沈めば今とは違って涼しくなっていました。
そんな中電車は冷房をガンガンに効かせて、半袖で乗務していたら風邪をひきそうなくらいだったな。
ちなみに駅勤務や運転指令員や助役なども、夏服着用期間の延長などは乗務員に準じています。
でも駅なんて券売機を冷やすためにかなり冷房を効かせていたから、夏でも寒く感じて冬用の上着を羽織っていることが多かったですけどね。
※昔の券売機って信じられないほど熱を発生してくれるし、その熱によってすぐダウンしちゃっていたから、春から秋までずっと冷房を付けていたんです。
運転指令も本社と変わらない冷暖房完備の場所にあるから快適な環境だったし。
夏服着用延長の指示が出なくて困ったのは乗務員だけだった。。。