謹賀新年

旧年中はありがとうございました。

本年もいろいろと思いだしながら、また時事のニュースにちなんだ昔話を披露していければと思っています。

 

お正月を迎えるとよく思い出す駅勤務時代の話です。

その日は駅長室内で内勤勤務をしていました。

お客さんと接するよりは雑務が主となる勤務で、お正月の場合は初詣対応が必要な駅の臨時改札設営などの仕事のほか、簡単な事務作業などもこなす仕事です。

でも臨時改札の設営が済めばお正月は特に他の仕事もなく、駅長室でのんびりと電話番です。

臨時改札を手仕舞いするのも内勤の仕事でしたがだいたい成人の日以降に行うので、設営と手仕舞いの両方が当たる確率は低かったですね。

駅長室で助役たちと雑談しながら過ごしているとき、駅構内用の電話から

「駅長室!駅長室!」

と慌てふためいた声が聞こえてきました。

この駅構内用の電話はダイヤルがなく、受話器を上げて小さなボタンを押しながらしゃべると、構内に設置してある同じタイプの電話から一斉にその声が聞こえます。

ボタンを押しながら用件のある場所(今回でしたら駅長室)を呼び、電話に出たらボタンを離して1対1で通話をするものです。

 

助役が構内電話に出ると

「え?落ちた?」

という声が聞こえます。

通話が終わり受話器を置くと

「〇番線へ行くぞ!線間落下や!」

私も会社にいる間に1~2度しか聞いたことがない線間落下という言葉ですが、電車とホームの隙間に落下した場合に言うようです。

 

現場付近には乗務員や落下した人の連れの人、それにやじ馬がたくさんいました。

ただその落ちた箇所って直線部分であまり隙間が空いていないのにもかかわらず、着物を着た中年のおじさんがものの見事にはまっています。

どうやって落ちたのかが疑問でしたが、少し車幅が狭い古い車両だったためのようでした。

 

引っ張り上げようとしてもなかなか上手くいかず、車体をみんなで押して傾かせてホームとの隙間を広げようとしたりホントに必死でした。

消防のレスキューを呼ぶしかないという空気が漂い始めたとき、助役が何気に引っ張ったらきれいに足まで抜けて救出成功となりました。

足や腕を擦りむいていましたが大したけがもなく、また本人はお酒を飲んでいて痛みをあまり分かっていないためにケロッとしていました。

 

「わざわざ人が多い神社へ行って、周りの人の不幸を持って帰ったんじゃないか」

そんな話を駅長室でしたことを覚えています。

それ以降私は一度もわざわざ電車や車を使っての初詣なんてしていません。

他人の不幸を持って帰ってくるのがイヤですからね。

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