「JR EAST Train Simulator」というJR東日本の公式の鉄道運転シミュレーターが、PCゲーム配信の「Steam」に登場したとか。
記事を読んでみるとかなり精巧にできているそうで、乗務員訓練用のシミュレーターを一般向けに改修してリリースしたものらしい。
私が勤務していた会社にも車掌や運転士の見習時代から運転シミュレーターはありました。
教習所に置かれていたのですが、車掌見習の時には一度も使用しなかった。
車掌は運転に関係が無いからと思われるかもしれませんが、最近の新しいシミュレーターには車掌の操業に関するモードもあって、例えば列車が所定の停止位置を通り過ぎて停止した時、車掌はどのような処置を行うのかなんてことが学べるらしいです。
運転士の見習の時には1度だけシミュレーターを使用しました。
多くの方がシミュレーターで実際の電車の運転感覚を養うと思われるかもしれませんが、私が見習の時ってかなり古いシミュレーターで、とてもじゃないけどこんな機械では何も学べないって代物でした。
1度だけ使用したのも運転操法について学ぶものではなく、あくまで異常時の運転士の取り扱いを学ぶためのもの。
例えば進路予告機や場内信号機が異線現示をしている時の喚呼とブレーキの扱い方と、列車無線での運転指令への報告の仕方とか。
障害物検知装置が動作したときのブレーキの扱い方(停止位置を含めて)などを学ぶための使用で、通常の運転については一度も使用することなく教習所での机上教育を終わり、現場へ出て師匠の横に2~3日添乗させてもらい、その後はハンドルを握っていました。
もちろん師匠の指示通りに操作するだけなのですが、最初はその指示通りのブレーキ操作もまともにできませんからね。
何せ私が運転士見習の頃って電磁直通ブレーキの車両が相当走っていましたから、師匠が指示するブレーキハンドルの角度になかなか入れることができませんでしたから。
よく営業列車でこんな怖いことするなあと運転士見習になる前は思っていましたが、実際に自分が電車の運転について何も知らない状態で後ろにはお客さんが乗っている電車のハンドルを握っている時は、怖いとか気の毒なお客さんなんて感想は0。
とにかく指示通りにハンドルを動かさなくちゃ…という気持ちのみでしたからね。
ちなみに古い運転シミュレーターも走行する電車にカメラを載せて前方を撮影したそうですが、低速になるとひどいコマ送り状態の映像で、とてもじゃないけど操法について学べるようなものではなかったです。
昭和の時代のシュミレーターですからね。
平成に入ってかなり経ってからシミュレーターを更新し、もうベテランの域に達してから教習所へ行く機会があって新しいシミュレーターを操作しました。
低速になってもコマ送りにならず滑らかな映像で、シミュレーター更新後は運転士見習で活用していると思います。
でも私のようなベテラン勢(ただ古いだけ)がこのシミュレーターで疑似運転を体験すると、どうしても微妙なところのタイミングがずれてしまう。
いつもの感覚でブレーキを入れると効きすぎてはるか手前に止まりそうになったり、止まる寸前に全緩めをするとコロコロと転がっていたり。
ベテラン勢からはメチャクチャ不評でした。
それに前方風景の映像を見ていると酔いそうになるほど気持ち悪くなってきて、これは多くのベテラン勢が言っていました。
平気だったのは若い運転士たち。
画像も運転操作もゲーム感覚のようで、私のようにタイミングがずれることもなく止めることができていました。
なので新しいシミュレーターは若いゲーム世代にはピッタリなのでしょう。
JR東日本のシミュレーターはさらに新しいものだと思うので、もっと精巧に作られているのかな?