ここ20年ほどのことですが、とにかく列車の運転を抑止しすぎだと思う件が多すぎるように思います。
人身事故でも最近は1時間くらい運転を止めることが普通になっているし、下手すりゃ2時間くらい平気で止めちゃいます。
昔も人身事故発生時は少しは止めていましたが、せいぜい10分止める程度。
事故を起こした列車が運転再開するまでに10分を超えると、乗務区では非難轟轟(ひなんごうごう)でしたから。
私が勤務していた会社の乗務区では、人身事故の際の処理は事故を起こした列車の運転士と車掌が行い、駅構内の事故でなければ(踏切など)駅係員が手伝いにやってくることもなかった。
運転士と車掌の2人でご遺体を列車の運行に支障のない場所へ移動し、ブルーシートや新聞紙などをかけて公衆の面前にさらさないようにし、車掌は現場監視のために事故現場に残り、運転士は車両点検を行って運転再開。
運転再開までは通常7分、ちょっと時間がかかったとしても10分、それを超えると他の乗務員から
「今日の運転士と車掌は誰や!」
って乗務区内で怒り出すというのがお決まりでしたから。
人身事故後の運転再開にやたら時間がかかる理由は、2002年(平成14年)11月6日の東海道線救急隊員死傷事故が原因です。
以前にもこのブログで少し触れましたが、来週中にもう一度整理して書こうかなと思っています。
※忘れていなければ・・・
つい最近Yahoo!ニュースで次のような記事が掲載されていました。
JR瀬戸大橋線で列車とサギとみられる鳥が接触 マリンライナー2本運休 他の列車にも最大25分の遅れ【岡山】
サギという鳥は何種類かいるそうですが、よく見るアオサギは羽を広げると1m50cmくらいになる大きな鳥です。
どの種類のサギと接触したのかは分かりませんが、接触の影響でマリンライナー2本が運休して、遅れも最大で25分も出たらしいけど、車両の故障でもあったのかな?
フロントガラスが割れたとか、床下の機器に接触して運転継続が難しい故障が発生したのならば分かるけど、そういった続報は目にしていないし。
私もアオサギとの接触は飛んでいる場面や軌道内にいる場面で2~3回はあるし、ハトほどではないけど比較的よく接触する鳥ではあります。
飛んでいるサギとの接触の場合大きな羽がクッションの役割をするのか、ハトの時のような大きな音もなく当たる感じです。
もちろん60km/h以上で走行しておれば接触すれば死んじゃうんだけど、過去に車両への大きな損傷があったケースは聞いたことがない。
それだけに、それほどひどい故障が発生したのかなと思ったりもするのですが。
単線区間も抱えているからどうしても遅れは出やすいとも思うけど。
JR西日本は東海道線救急隊員死傷事故と福知山線脱線事故、そして新幹線の台車に大きな亀裂が生じたまま運行を続けた2017年12月11日の「のぞみ34号」の重大インシデントなどなど大きな事故を続発させてきたせいか、やたらと列車の運転抑止と運休を行うようになっています。
もちろん安全は最優先されるべきだけど、このところのJR西日本はさすがに列車を遅らせすぎだし、止めすぎだと思ってしまいます。
何が何でも定時運転!という呪縛から解放されたのは良いかもしれないけど、だからといって定時性の完全な放棄もまた問題があると思うのですよね。
世間の風潮は白か黒のどちらかじゃないとダメとか、0か100のどちらかじゃないとダメって感じではあるけど、鉄道業がそんなことで良いの?って思ってしまうのです。
遅れは仕方がないにしても、極力遅れを抑える、極力運休を抑えるという姿勢も大事じゃないのかな?
台風接近などによる計画運休は事前に公表されることから良いとしても、本当に小さなアクシデントなのにここまでダイヤを乱すというのはどうなのかなと。
30年以上の乗務経験の中で、サギとの接触で列車が1分以上遅れたケースは皆無。
私以外の運転士もサギとの接触はかなりあるようだけど、それが原因で遅れや運休なんて聞いたことがない。
ハトやカラスとの接触で車両交換(振替)に至ったケースは2~3年に1度くらいはあったかな。
踏切の遮断桿折損での列車が運休したケースも私は経験したことがないし、遅れもひどくて3~4分程度だったけど、JR西日本だと運休が発生するケースが多いですからね。