昔からよくあったパーツの落下
新幹線の台車亀裂事件以降、JR西では車両の床下のパーツが落下していたとする発表が多くなっています。
JR西日本は27日、関西線や和歌山線などの一部で快速や普通電車として運用していた車両1両で、床下にあるモーターの点検用のふた1枚(縦約66センチ、横約19センチ、厚さ約1・6ミリ、重さ約2・1キロ)がなくなっていたと発表した。走行中に外れて落ちたとみられ、運行に影響はないというが、今後、同型の車両128台を緊急点検する。
でも昔から床下のパーツが無くなっていたという事象はよくありましたよ。ただ昔はこの手のマイナスイメージにつながることの公表は控えていましたし、本社など上層部の耳に入らないように現場で処理されていたのもまた事実でしたしね。
今は隠さず本当のことを公表しないと、あとからバレてしまうと本当に大ごとになるので隠したくても隠せないのが本音のところですね。
私が勤務していた会社は、現場で隠せそうなことは隠し通そうとする風潮がまだ残っているような・・・
走行中に前の車両の方から異音が
以前にもこのブログに書いた走行中に車内灯が突然消灯してしまう古い車両ですが、この車両ではこんなこともありました。
車掌になってまだ間がなかった頃ですから、もう35年近く昔のことになります。
優等列車を担当していた私は、車内が混んでいたこともあり乗務員室でジッと立っていました。すると前の車両の床下の方から大きな音が聞こえてきて、その音が振動とともにこちらへ近付いてきます。
かなり大きな音と振動だったので客室のお客さんも一斉にこちら見てきます。
でもどうすれば良いのかが分からない私は、とりあえず運転士にインターホンで報告することにしたのですが、インターホンを鳴らしても運転士は出てくれません。この当時は走行中の運転士が列車無線やインターホンに出ることを原則禁じていたためです。
異音と振動が私がいる乗務員室の床下へ到達した瞬間に、列車の後方へ大きな物体が転がり出ていきました。
かなり変形はしていましたが、どこからどう見ても床下に機器を納めるための金属の箱です。かなり大きかったですよ。
それは列車のパーツではない?
終点に着いてエンド交換する際に運転士に状況を報告したのですが、その運転士は無視してきました。
いまさら列車無線では報告しにくいと思ったので、私は乗務区へ戻ってから助役に報告しました。
今ならすぐに報告しないということで怒られるのですが、この当時は何でもかんでも列車無線で報告するなという風潮がありました。だって無線はあちこちの部署で聞いているので、現場だけでその出来事を抑えることが難しくなるためです。
それでも当該車両にはすぐ車両課員が添乗し、終点に着いた際に床下を点検しました。そしてすぐに車両の振替措置が取られて、その車両は入庫してしまいました。
翌日になってから、私は乗務区の助役に耳打ちされました。
「あれは犬が横から侵入して轢かれてしまい、バラスを巻き上げたために起こったことだから」