伝説の車掌-1

どこを走っている列車なんだ?

私より3つ年下ながら、伝説的存在だった車掌がいます。
その方は後に運転士になったものの、数年で駅勤務となり現在に至っています。

何が伝説かというと、車内へ放送する駅名が無茶苦茶なのです。
駅の順番が違うだなんて序の口で、全く関係のない地名が飛び出てくることも頻繁にあったのです。
ちなみに私が勤務していた鉄道会社は関西にあります。
なのに車内への放送で「仙台」「札幌」「鹿児島」といった地名がどんどん出てくるのです。

 

私が運転士になった数年あとに車掌として乗務しだした方ですので、何度か乗り組んで仕事をしたことがあるのですが、その駅名や地名のぶっ飛びっぷりに運転しながら笑うのを必死でこらえていました。
それでも私の時は関西の地名しか出てきませんでしたけどね(笑)

 

車内灯の点け忘れとドアの開け忘れ?

 

私が普通列車を担当し、緩急接続のために停車していたところへその車掌さんが担当する優等列車が入ってきました。
何気にその列車を見ると、いつもとはかなり雰囲気が違います。
その駅は周囲をビルに囲まれていて昼間でもうす暗く、車掌は必ず車内灯をつけて駅へ進入するのですが、点け忘れていたようで真っ暗でした。

優等列車の運転士の方へ近づき、車内灯を点け忘れているなと喋りかけようとしたのですが、その運転士は何か焦っています。
私も視線をずらすと焦っている理由が分かりました。
ドアが開いていないのです。
優等列車の運転士はインターホンで車掌を呼び出そうとするのですが応答がありません。
そうするうちにお客さんも怒りだします。
乗り降りができないのですから。

しばらく経つと車内灯が点きドアが開きました。
乗降が終わりその優等列車は2分ほど遅れて出発していきました。

 

寝台電車?

その煽りを受けて私が担当する普通列車も1分30秒ほど遅れて出発し、終点には少しだけ遅れを取り戻して到着。
エンド交換の際にその日の乗り組みの車掌が笑いながら話してきます。

「さっき××駅で隣の優等列車が真っ暗で入ってきて、おまけになかなかドアが開かなかったでしょ。あれね、××が車掌だったのですけど、乗務員室の床に座り込んで爆睡していたのです。乗務員室の側開戸をガンガン叩いて起こしたんです。お客さんも車内から仕切り扉を叩いてましたしね」

いまなら間違いなく新聞やテレビで放映され、責任を取らされて全く違う部署へ飛ばされてるでしょうね。
あの当時(30年以上前)だからこんなことも笑い話で済んでいますけども。

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