列車無線でも隠語を使うことが

隠語がいっぱい

鉄道の現場では隠語で話をすることが多いです。
所定の停止位置を行き過ぎることを新聞などではオーバーランと表現しますが、私の会社では「すべる」「えきつう」といいます。
「すべる」は止める意思があってブレーキ操作もしたのだが、制動距離が足りなかったり、雨や雪のために思うような制動効果を得られずに行き過ぎることをいいます。
「えきつう」は停車駅なのに通過駅だと勘違いしてしまって行き過ぎることをいいます。駅誤通過からきています。

 

通常列車無線で隠語を使うことはないのですが、私が駅勤務の時に1度だけ列車無線での会話を、すべて隠語でやり取りしているのを聞いたことがあります。
今回はその時のことを書いていきます。

 

いつもとは雰囲気が違った駅事務室内

その日私は駅事務室で内勤業務に就いていました。
電話での各種問い合わせへの対応や、管区内全駅へ対しての荷物の送付など、言ってみれば雑用です。
荷物の送付ですが、たとえば各駅で無料で配布する小冊子は管区長所在駅へ送られてきます。それを管区内の各駅へ電車で送付したりするのです。

 

朝から妙な緊張感に包まれていた駅事務室。
あまり顔を出さない管区長(駅長)が事務机の所に陣取るなど、いつもとは全く違う空気が流れていました。
何でも、ある団体が電車に乗ってやってきて、私が勤務する駅の真ん前で街宣活動を行い、また電車に乗って移動するというのです。
何時ごろの電車に乗るといったおおまかなことは分かっていたのですが、詳細なんて分かりません。警察なども詳しいことは教えてくれなかったようです。
なのでどこの駅から何時何分の電車の何両目に、だいたいどのくらいの人数が乗車したのかを報告することになっていたのでした。

「隠語で無線を飛ばさないと、その団体も無線を聞いているからなあ」

あまりしゃべったことがない駅長が私にしゃべってきました。それだけでも緊張します。

 

 即席の隠語だから・・・

乗車するであろう駅に係員を配置させて、乗車を確認したら運転台に添乗して列車無線で運転指令に報告ということになっていました。
あらかじめ決めておいた隠語で無線を飛ばすので、聞いていても何のことだかさっぱり分かりません。
駅長がメモを取り出してきて、そのメモを見ながら隠語を日本語に訳してくれました。

イチゴマル ダイサンノニ ヨンマル

もっと何か言っていたようですが、覚えているのはこれだけですね。
15時0分の列車の上り方から3両目の2番目のドアから40人ほどが乗車した。
こんな感じでした。
いくら即席で作ったにしても分かりやすい隠語だなって、ちょっと笑いそうになった記憶が。

そのあと首席助役と2人で駅前の喫茶店に入り、その団体の街宣活動を見たりしましたよ。
それ以降私が会社に在籍してる間、列車無線のやり取りが隠語だったのは記憶にないですね。

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