車庫内の入換信号については車庫を担当する信号所の助役や信号士が手動(てこ扱い)で現示しているケースが多いです。
車庫(電車区)によってはプログラム化されていて半自動で入換信号を現示するところや、助役や信号士といった運輸系の職員ではなく、車両課や検車課の職員が手動で信号現示させるところなどもあります。
なので運転指令が直接車庫や電車区などの入換信号機を操作することは少ないのでしょうが、カテゴリ分けするのも面倒なのでこの記事は「運転指令」になっています。
私が担当していた路線の車庫では、車庫の信号所から助役や信号士がてこ扱いで入換信号機を現示していました。
時間は朝6時過ぎでそろそろ出庫車両が増加してくる時間でした。
私が運転士になったころは、車庫からホームまでの出庫のルートだったり、車庫内の入換信号機が現示される時秒は知らされていませんでした。
なので信号所が入換信号機を点け間違えたとしても、出庫を担当する運転士は分かりませんでした。
運転指令だって、出庫してきたその車両が正しいものか間違っているのかだって分かりません。
なので時々ミスをしていました。
車庫内で出庫を待っていた私。
そろそろ出庫しなければ、駅からの出発時間に間に合わないののですが、でもいっこうに車庫内の入換信号機は現示されません。
運転指令に問い合わせようかなと思ったとき、先に運転指令に対して無線が入りました。
出庫してホームに止まっている列車の運転士が、スタフ記載の時刻よりも相当早い時間に出発信号機が現示されたようです。
でもその時はまた私が担当予定の列車の出発時間にはなっていませんでした。
その後続いて出発時間を回っているのに、入換信号が点かないから出庫できないっていう無線も。
もうこうなるとパニックですよ。
編成両数が違っていたり、優等列車には使われない車両が入り混じっていたようで
「○○駅〇番線の列車の車両番号を知らせてください」
「○○車庫〇番線の車両は○○編成で間違いないですか」
のような無線が飛び交います。
車庫では前日の夜に翌日の朝ラッシュ時までの出庫順序を組み立てて表にするのですが、夜遅い時間に車両故障や点検が必要になるなど、出庫順序をもう一度組み立てなおす必要が出てくることがあります。
留置番線が変われば出庫順序の表を訂正する必要がありますから。
車庫の助役や信号士が忘れてしまうことは考えられませんが、たまに訂正を間違えてしまうことがあったのです。
私はこの時は、出庫して下り普通列車を担当することになっていたのですが、車庫のある駅→終点→車庫のある駅までが運休となり、出庫して上り普通列車からに変更となりました。
数本出庫を間違えてしまうと、収拾がつかなくなるんです。