2018年12月10日の夕方、東急田園都市線の渋谷駅に停車中だったドアのガラスが破損する事故がありました。
警備員がドアに挟まった荷物を押し込もうとしているとき、突然ドアのガラスがクモの巣状に割れたようです。
当時車内は混雑率180%程度とかなりの混雑ですし、警備員はガラスを触っておらず、また割れたガラスの破片もホーム側へ落下しているようなので、車内からの力がガラスに加わって割れたようですね。
電車に使われているガラスっていわゆる強化ガラスが使われていて、ふつうのガラスの3倍以上の強度があると言われています。
少々押したところで割れるようなことはなく、満員電車で圧がガラスに加わっても割れることが少ないのは、都市部でギュウギュウ詰めの電車を体験した人ならお判りいただけますよね。
でも今回は東急渋谷駅で割れちゃっているのです。
朝の通勤ラッシュがもうすぐ始まるという6時ごろの電車を担当していた時に起こりました。
優等列車の退避中にお客さんが走ってきて
「2両目のドアのガラスが急に割れました」
見に行くとクモの巣状にヒビが入っいて、その車両に立ち客はおらず誰もそのドアにもたれかかったりはしていませんでした。
「一つ前の駅でこっちのドアが閉まるときにヒビが入ったよ」
周りにいたお客さんがそう言うので、コックを抜いて手動で動かしてみたところ特に変わった様子はない。
無線で状況を報告して、危ないからその場所に車掌を立たして運転再開。
途中駅で係員が来るまでは車掌を客室に残し、ドア扱いはすべて私が行うことに。
後で車両課の見解として聞いた話では、何らかの理由でドアに圧力がかかってガラスが割れたのではないのか。
その圧力の原因はドアの変形かもしれないとのこと。
この時は古い鋼製の車両だった記憶があるのですが、鋼製の車両のドアって乗務員室の側開き戸を含めて変形するって話を聞いたことがあり、ドアエンジンを積んでいない乗務員室の側開き戸はよく他の車両と交換すると言っていました。
強化ガラスってハンマーでは割れないけども、先が尖ったもの、例えば傘の先でつつくと見事に割れちゃうんですよね。
一点に圧力が集中すると割れやすいそうです。
あくまで推測ですけど
警備員がドアを少し開けて荷物を押し込もうとする力と、ギュウギュウ詰めの旅客の圧がガラスの一点に集中しちゃって割れたのかな、なんて思ったりもしています。
ホントにあっけなく割れるんですよ、強化ガラスって。