ニュース等でも報道されている通り、走行中のJR宇都宮線の車内の優先席に寝転がって喫煙していた宮本一馬容疑者に対して、喘息を持っている高校生が注意したところ逆上。
車内や駅ホーム上で暴行を受けて顔面骨折などの重傷を負った事件。
まずはこの高校生のその勇気をたたえるとともに、心や体に負った傷が早く治るようにお祈りします。
ヤフーニュースのコメントやツイッターには、なぜ周りの人は見て見ぬふりなんだという意見がかなり多く投稿されていますが、周りの人は下手に加勢しなくて正解だったと思います。
この手のトラブルで仲裁に入ろうとした人が加害者とさらにトラブルになり、加害者も仲裁者もともに加害者として警察沙汰になる事案ってかなり多いです。
仲裁には入らず車内非常通報装置を操作して乗務員へ通報することを第一に、そして暴行の度合いがあまりにもひどい場合には警察へすぐ通報してもらっても良いと思います。
実際のところ非常通報装置を押してもらい、車掌(ワンマン線区ならば運転士)が現場へ駆けつけたとしても、止めるのは難しかったかもしれないですね。
今回の事件の様子を撮影した動画も出回っていますが、車掌は何もできずにただ立ちつくしているだけのようです。
車掌や運転士なんて警察官とは違い犯人逮捕術を習得しているわけでもなくただのサラリーマンですし、今回のようなトラブル時の対処法だって誰一人習っていないですから。
とはいっても私も車掌時代には、担当列車の車内で発生した暴力行為に遭遇したことは何度かあります。
ふつうは加害者側に言葉をかけるわけですが、私は毎回必ず被害者をその場から離れるように持って行きます。
加害者が圧倒的に悪いと分かっていながらも、加害者に電車内や駅構内でトラブルとなるとあなたが損をするから手を出さないほうが良いと言いながら、被害者をまずは遠ざけることを考えていました。
こういう事案では自分でも理不尽だとわかっていながらも、まずは強いほうや人数が多い方に付きながら被害者をとにかく遠ざけるわけです。
今回のようにこれだけボコボコにされるとなかなか言えないのですが、場合によっては「突っかかっていくものじゃないですよ」と被害者側をたしなめるような言い方をすることも実際にありました。
変な話ではあるのですがとにかく被害を最小限に抑えることと、車内の秩序維持のために車掌が一人でできることとしてはこれが精一杯なんですよ。
柔道や空手でも習っていればこんな対応はしないのですけどね。
そして被害者を車掌が乗務する乗務員室の前に移動させて、運転指令と連絡するとき以外はずっと被害者と話をして、被害者に落ち着いてもらおうとしていました。
禁煙の車内で座席に寝ころびながら喫煙してるだなんて、それだけで異常者だとわかるのですから、決して個人的に注意なんてしないほうが良いです。
この手の人の中には刃物など凶器を所持していることも多く、基本的には近づかないことが大事だと思います。
非常通報ボタンを押す勇気がなければ、別の車両に移動してケータイで警察へ通報しても良いです。
警察からは最寄り駅や運転指令へ直接電話が入りますし、それを受けて運転指令から乗務員へも指示が出されますので、街中で事件を見かけたときと同じように即警察へ通報でも今の時代ならば全く問題はないと思います。
変な人が座席で寝転んで喫煙をしていますと通報すればよいのです。