Yahoo!ニュースを見ているとこんな記事がありました。
「滑って踏切内に…」 乗用車がJR特急と衝突 運転士気づかず 17キロ先の駅で停車 北海道清水町
路面が凍結していて踏切手前で停車できず、そのまま踏切内へ突っ込んだ乗用車。
運悪く「スーパーおおぞら8号」が通過中で、列車の側面に衝突したようですね。
運転士は乗用車の衝突に気付かず通常通り運転し、停車駅の新得駅へ普段通り運転したようですね。
でも乗用車が衝突した車両に乗車していた乗客はさすがに異変に気付くはずだと思うのですが、非常通報装置を作動させたり車掌へ連絡はしなかったのかな?
運転士に限った話をすると、たとえ先頭車であっても側面での異常に運転士が気付くことって意外と無いですね。
さすがに先頭車の側面でも乗用車が衝突すれば気づくでしょうが、人が側面に接触した程度では衝動も伝わらないし、もちろん走行中だと音もまったく聞こえないですからね。
私は幸いなことにこれに関連するようなことに遭遇はしていませんが、先輩の運転士が終端駅に入線した時に先頭車の側面に人が倒れてきて接触したという事案がありました。
終端駅ですから進入速度は15㎞/h程度。
停目に列車を止めようと準備した時に、後ろのほうでゴン!という音を聞いたそうです。
特に衝動は無かったのですが、その音が気になって非常制動で停車させました。
ホームに降りると大勢のお客さんに
「あそこで電車に倒れていってぶつかった!」
と指で差しながら口々に言われたので現場へ行き、頭部から出血している若い女性を救護したというものです。
これには運転経験のある者みんなが
「後部で当たったのによく気付いたなあ」
とある種おどろきの声を漏らしたほどです。
もし私がこの現場に遭遇していたとしても、おそらくふつうに停目に停車させていたんじゃないかな。
こういったことを防ぐためにホームドアの設置が叫ばれているわけですね。
では踏切はというと、前にも書いた踏切障害物検知装置(障検)の設置くらいしか手がないのですが、列車通過の直前や通過中には障検はまったく効果がありません。
今回のような乗用車が踏切手前で止まり切れない場合に有効な手段って、遮断桿(踏切の棒)を頑丈にして車の侵入を阻止するくらいしかありません。
現実的ではないし、踏切内に取り残されたときに遮断桿を押して脱出もできなくなりますしね。