警報器も遮断機もない踏切
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警報器も遮断機もない踏切

昨日の新聞にこのような記事が載っていました。

遮断機・警報機ない踏切、全国に2700も 讀賣新聞 2019/07/25

昨年JR福塩線の遮断機も警報機もない踏切で、小学生が列車にはねられて死亡したという事故があり、国交省の運輸安全委員会で遮断機も警報機もない踏切では子供が危険を予測することが難しく、犠牲になった子も列車接近に注意を向けられなかったのではないかという報告書を公表したものです。

また事故に遭った子はこの踏切を渡るのが初めてだったようで、警報機が鳴っていないし遮断機が下りていない状況では列車の接近はないと判断したのかもしれないと。

 

踏切には以下のような種類があります。

第一種甲-自動警報機と自動遮断機で交通の遮断を行う
第一種乙-踏切保安係を配置して列車運行中は交通の遮断を行う
第二種--一定時間だけ踏切保安係を配置して交通の遮断を行う(現在はない)
第三種ーー警報器だけ設置していて遮断機がない踏切
第四種ーー警報器や遮断機がなく踏切保安係もいない踏切

 

 

新聞記事では2017年度末時点で全国に第四種踏切が約2700ヶ所もあるそうです。

たしかに地方路線を中心に幹線でもまだこの第四種踏切って残っていますね。

このほかにも鉄道事業者は踏切として認めていないものの、地元の人が通行する通称“勝手踏切”も存在していて、こちらの数は全国で2万か所近くに上るとも言われています。

 

私は駅・車掌・運転士・助役と鉄道の現業職に30年以上身を置いてきましたが、警報機や遮断機がない線路を横断するのはやっぱり怖かったですよ。

助役になってからは営業列車が走行する本線路上を歩いたり横断する機会も多かったのですが、本当に左右の確認はしつこいくらいしていましたよ。

車掌や運転士の時は車庫構内を歩くことが日常的にあるのですが、車庫内の通路とはいえ線路を横切るのはやっぱりいつも怖かったです。

 

運転士になって数年たったころ、少し風邪気味で体調が思わしくない中仕事をしていたことがあるのですが、入庫してパンタを下ろし蓄電池を切り、ハンスコ(手歯止)を設置してホッとしてしまったのか、そのあと車庫構内の通路を大して確認もせずに歩いていると

「危ない!」

といってベテランの車掌さんに体を引っ張られたことがあります。

わたし

まったく電車の接近に気付いていなかったのです。

車庫構内なんて15~25㎞/hくらいで走行しているから助かったのですが、これが第四種踏切や勝手踏切だと路線によっては100km/hくらいで走行しているわけですから、本当に接触しちゃうと・・・

 

車庫構内で車両に接触する乗務員や作業員がまったくいないわけではなく、安全週間などには社内目標として触車災害の根絶がいつも掲げられるほどです。

一般の通行人それも子供だと列車の接近に気付きにくく、またどのような危険性があるのかなんて想像することもないと思います。

運転士の立場からしても、やっぱり警報器も遮断機もない踏切を通過するのは心臓に悪いです。

なんとか第四種踏切はすべてを第一種甲踏切へ切り替えを進めてほしい、そう思います。

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