走行中にドアが開いた新幹線
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走行中にドアが開いた新幹線

まずは概要から。

8月21日東北新幹線の仙台発東京行き「はやぶさ46号」が仙台―白石蔵王間を走行中、ドアが開いたことを示すランプが点灯したことに気づいた運転士が非常制動を投入。

車掌が全開になったドアを確認し、閉めなおして15分後に運転を再開した。

仙台を出発後10分ほど経ったころにドアが開いたことを示すランプが点灯し、停止までに走行した距離は4㎞で40秒ほどかかった。

車内の防犯カメラを確認したところ、清掃員がドアコックを閉め忘れており走行中の風圧でドアが開いたとみられている。

非常ブレーキを投入した時の速度は280㎞/hだったらしい。

 

ドアコックは何種類かあり、今回清掃員が閉め忘れたドアコックは一つのドアを手動扱いとするためのコックです。

通勤電車でも当然ついていて、新幹線のようにドアの上部の壁の中に設置されているものや、シートの端っこの下の隅についているものなどがあります。

ほかには一車両の片側すべてのドアを手動扱いするためのドアコックなどがあります。

電車のドアの開閉は圧縮空気を用いたドアエンジンが主流で、ここ最近ようやく電動式も導入されつつあるようです。

簡単に言うと圧縮空気の力でドアを閉めて、開けるときには圧縮空気を抜きます。

今回ドアコックの閉め忘れということですから、開いたドアのドアエンジンには圧縮空気が送られない状態のため、空気の力でドアを強く閉める状態ではありません。

手でも簡単に開けられますし、風圧でももちろん開いてしまうでしょうね。

憶測ですが

清掃のために車内に舞い上がったホコリを車外へ出すために、ドアコックを使ってドアを開けたのかな。

ホントはドアコックを戻して圧縮空気の力でドアを閉めなければいけないのに、手でドアを閉めたのかなと想像します。

 

車掌が車掌スイッチによってドアを開閉するというのは、各ドアのドアエンジンの電磁弁を励磁させたり消磁させたりしているということで、この作用によって圧縮空気が込められたり抜かれたりしています。

ただドアコックが反位にされると圧縮空気がドアエンジンに流れ込まないため、ドアを閉めることはできません。

新聞などで報道されている内容を解説するとこんな感じです。

 

私は新幹線の運転士ではなかったので運転台周りがどのようになっているのかは分かりませんが、一般的には編成中のドアが一か所で開くと戸閉ランプが消灯します。

また最近の車両にはモニター装置が搭載されていて、どのドアが開いているのかを表示してくれます。

ドアが開いたらと書いていますが厳密には数センチ(1~2㎝かな)開けば戸閉ランプは消灯し、モニター装置にもドアが開いたことが表示されます。

通勤電車の場合ならば、カバンがドアに挟まった状態などを想像していただくとわかりやすいかな。

戸閉ランプが消灯すると回路が切断されるので力行できません。

※車で言うとアクセルを踏んでもエンジンの回転数ががらない状態

ただ鉄道が車と違うのは、常にモーターを回して走っているのではないという点です。

鉄道は惰性で走行するものですから。

 

今回の件で

“ドアが開いたことを示すランプが点灯したことに気づいた運転士が非常制動を投入”

となっていますが、この時点ではドアの開閉状態を知らせる接点が離れた状態なので、ドアは開いていても1~2㎝です。

非常ブレーキを入れても急にドアが全開になるとは考えらえません。

全開になったのは非常ブレーキを緩めずに停車したその時だったと私は思います。

非常ブレーキを入れて減速しているときってお客さんはまず気付かないですし、運転士だって普通のブレーキより少しきつい程度としか感じませんよ。

その程度ですからおそらく新幹線のドアは開いたとしても5㎝とか10㎝程度だったはず。

そして非常ブレーキを緩めずに停車すればドスン!と止まりますが、この時に慣性の法則が働いて体が前方に投げ出されそうになります。

この勢いによってドアは全開になったと想像しています。

だからといって危険性はなかったとは言えませんけどね。

 

このドアコックにまつわる話もいくつかありますので、また小出しにしていきます(笑)

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