わざと電車の閉まったドアにぶつかる人がいたけど・・・

昨年末に記事にした眼鏡や靴の破損代金請求など鉄道でも詐欺行為を行う輩がいましたという記事の最後に

「詐欺とかではないけど、わざと閉まるドアにぶつかったり挟まれる人もいました。」

と書きました。

今回はこのことについて書いていきます。

 

今から27年前の夏を迎えたころだったと記憶しています。

お年を召した女性が停車中の電車の前にジッと立っていて、車両のドアが完全に閉まったことを確認してからドアにぶつかってくる、そんな奇妙な行動をするのです。

車掌によっては閉まるドアにぶつけてはいけないと再開扉するのですが、再開扉するとサッと車両が離れ、今度は閉まるドアにわざと挟まれるのです。

ほぼ毎日のように行われるこの奇妙な行動に、乗務区の助役がホームで警戒監視をすることになりました。

ぶつかりそうになると助役がダッシュしてきて、その年老いた女性を電車から引き離すのです。

そして口頭で注意するのですが、数時間後には再び現れてまた同じ行動をする。

正直言って乗務員にしてみれば、この奇妙な行動のせいで怪我でもされて、報告書を書いたり上司とやりとりするのもやっぱり面倒だし。

この年老いた女性の奇妙な行動のせいで、退勤時間を超えても乗務区で事情聴取を受けることもあるなどホントに迷惑していました。

 

駅の年配の首席助役がこの年老いた女性を保護して、じっくりと話を聞いてからはこの奇妙な行動は収まりました。

 

この女性の旦那さんはこの年にお亡くなりになりました。

亡くなった旦那さんは元会社員で、私が乗務していた路線を使って通勤していた。

昔のラッシュ時間帯ってすさまじい混雑具合で、駅員が無理やり車内へ押し込むようにして乗せたりもしていたし、閉まるドアに挟まれることも珍しいことではありませんでした。

そういう話を旦那さんから聞いていたのでしょうね。

この年老いた女性は、旦那さんに聞いていた状態を自分でも体感することで、旦那さんを偲んでいたらしいのです。

じっくりと話を聞いた首席助役が、気持ちはわかるけども、こういう行為をすることで自身もけがを負う危険性が非常に高いし、電車も遅れることで多くの人に迷惑がかかる。

亡くなった旦那さんもそんなことは望んでいないのではないですか、というようなことを話したようです。

電車のドアにぶつかっていた駅は、旦那さんの勤務先の最寄り駅でした。

 

この旦那さんは自宅の下敷きになって息を引き取ったらしいのです。

27年前の1月17日に起きた阪神淡路大震災によって。

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