先日の山手線のトラブルに関する問題提起の記事を読んで

先日の山手線の変電所での漏電トラブルでは直接給電を受ける路線だけではなく、並行して運行しているために避難誘導の際の二次災害防止のために運行をストップした中央線なども含め、運行再開までに4時間以上を要しました。

とにかく運行をストップしてしまえばお客さんは当然ですが混乱しますし、中には駅員や車掌に食って掛かる人も現れるものですから、いかに駅員や車掌は冷静さを保つかが大事ではあるのですが、残念ながらお客さんに食って掛かられてカッ!とする以上に冷静さを失う事態に直面することが多いです。

駅勤務でも的確な情報が降りてきませんし、車掌は運転指令(JRだと旅客指令かな)に問い合わせても答えてくれないし、情報確認用の携帯端末(乗務中に所持するスマホなど)だってなかなかリアルタイムで情報は入力されないし。

とにかく今どういう状況になっていて、運転再開の目安や振替輸送の実施状況など分からないことだらけで働かなければいけないことに、よけいにカッ!とするわけです。

 

こういう記事を読みました。

山手線トラブルで見えた「乗客への案内」の問題点

山手線トラブルで見えた「乗客への案内」の問題点 | 通勤電車
2021年6月20日夕方から夜にかけ、JR東日本の変電所漏電により、山手線や埼京線などが約4時間にわたって動かなくなるというトラブルがあった。列車によっては駅間で止まってしまい、乗客が線路を歩かねばならないと…

この記事を読んで思うことを書いてみようと思います。

 

 

この記事では最初に情報がたびたび変わることが書かれています。

「山手線は運転を見合わせます」

「池袋、新宿方面へお越しの方は向かい側の京浜東北線に乗り、赤羽から埼京線か湘南新宿ラインをご利用ください」

「この駅で時間調整します」(赤羽駅)

「埼京線は運転を見合わせますのでしばらく停車します」

「間もなく運転再開予定です」

「再び電力供給が止まったとの連絡で運転を見合わせます」

「この電車は大宮行きに変更になりますので回送電車になります。ホームでお待ちください」

 

この情報がたびたび変わる件は、正直言って駅員や乗務員にとってもイライラの種なんです。

運転指令も電話などで情報を得るだけなので正確な状況というものを把握できておらず、実は駅員や乗務員以上にイライラしながら指令を出しています。

たいてい運転指令内では指令員同士がなかば怒鳴りあい、数少ない情報から最適と思われる指示を出すわけですが、入ってくる情報自体がコロコロ変わるんです。

そうなると今回のように“運転する”“抑止する”“やっぱり運転開始”“打ち切って折り返す”みたいな状態になっちゃうんです。

 

もちろんこの状態がお客さんにとって良いはずはなく改善すべき点なのですが、運転指令へも本社など上層部から直接プレッシャーをかけられるので、なかなか改善できない。

だって役にも立たない部長クラスが何度も何度も電話をかけてきたり、場合によっては運転指令へやってきて指令員へガタガタ偉そうに指示出すんですよ。

「早く運転しろ!」

「お客さんが待っているんだぞ!」

「なぜ運転再開できないんだ!」

こんなの邪魔以外の何者でもないですからね。

 

通常時の情報伝達ルートは構築できているのですが、非常時のルートはまだまだどこの会社も脆弱なのが現実ですから早急に見直すべきですし、こういったところこそ本社の上層部の方々が積極的に動くべきなんですよね。

もちろんお金を出すという意味で。

 

 

次に書かれているのが振替輸送の案内について。

記事ではJR赤羽駅から東京メトロ赤羽岩淵駅までは徒歩10分ほどの距離であり、乗車券類における乗換駅(連絡駅)ではないものの乗り換えが現実的に可能な駅を積極的に案内してほしいという要望ですね。

たしかに地元の方ならばよく知っているルートだとしても、スマホなどの乗換案内では出てこないルートというものはたくさんあるでしょうね。

今回のケースは東京メトロ南北線との振替輸送のルートとして認められているもので、よく知っている交通ライターの方ならではの指摘でもあります。

赤羽から池袋へ行くのに、京浜東北線で東京へ行って丸ノ内線で池袋へなんてたしかに大回りです。

でも自社を優先的に案内するJRの駅員の気持ちが私にはホントによくわかりますし、乗り換えは連絡駅を基準に案内するのも普通です。

他社線との連絡キップで連絡駅以外で乗り換えしようとすれば、下車した時点でそのキップは無効になったりしますし。

ただ今回のケースは振替輸送という非常時の交通手段の案内ですし、振替輸送が認められている路線・区間での話ではあります。

JR赤羽駅と東京メトロ赤羽岩淵駅とが連絡駅であったり、昔の振替輸送の対象駅であればJRの駅員もすぐ思いついたかもしれません。

また地元の方などその周辺の地理を知っておられる方に案内した場合は良いのですが、私みたいに赤羽駅なんて降りたこともない人に

「赤羽岩淵駅まで歩いてもらって・・・」

と案内されたところで迷うだけですからね。

地理を知っている人からすればもどかしさを感じるでしょう、でも地理不案内な人に赤羽岩淵駅を案内したところで余計に混乱をきたすだけです。

基本的に不案内だからたずねて来られるのですから、駅員としては接続駅でなおかつ案内が容易な自社を優先するのが普通なんです。

駅に配布用の周辺地図を用意してもらうなどすれば、地理不案内な方にも案内はできるようになりますけど。

 

 

車内の放送に関しては同意できる部分もありますね。

たしかに余計な放送が多すぎるし、中には自社のCM的な放送をするケースもあります。

私も車掌の時に遊園地の案内放送をさせられるのがホントに嫌だったなぁ。

そんな放送したってCMとしての効果はほとんどないのに、本社の連中が隠れて放送しているかどうかをチェックしているからイヤイヤでもしなきゃいけない、サラリーマンな車掌の立場・・・

 

車内禁煙の放送もたしかに不必要だと思いますよ。

ただ車内でタバコを吸っている人なんて40年以上見たことがないって、かなりお上品な路線ばかり乗車されているのかな?

私が勤めていた路線が下品な路線というわけではなかったけど、それでも車内でタバコを吸っている人はたまにいるけどなあ。

ただし酔っぱらっていたり、ちょっと危なそうな人がタバコを車内で吸っているケースが大半だったから、車内禁煙の放送はしても意味がないとは思います。

 

「設備点検」「線路点検」「車両点検」などの言葉を使った車内放送ですが、なるほど点検はあらかじめ予定しているもので、突発的な事象は不具合ではないかという指摘ですね。

関西の某私鉄みたいに何でもかんでも「お客様対応」で済ますのは論外だと思いますが、ただ不具合や故障や事故などをストレートに伝えるのもどうかと思うのです。

不具合や事故や故障といった言葉をストレートに使わないのは、旅客に対していたずらに不安感を煽らないためです。

みんながみんな冷静に行動できる人ばかりではなく、ましてや言葉の使い方がおかしいなんて思う人ばかりではありません。

あまりにストレートに伝えてしまうとパニックになる人がいるのですよ。

「変電所で漏電があり送電がストップしているので、電車の運行を取りやめています」

このようにストレートに言っちゃうと、漏電って駅や車内にいると危険じゃないのかと慌てる人が少なからずいるんですよ。

だから

「現在設備の点検のために送電が止まっています」

と言うわけですよ。

 

列車の遅れや運転抑止の放送を普段と同じトーンでするから旅客が気付かない。

たしかにそうなんですよね。

遅れや運転抑止の放送をいつもとは違うトーンですると、たしかにいつもとは違うことを放送しているって気づきやすい。

ただこれに関しても先ほどと同じことが言えるので、とにかくパニックにならないように、慌てさせないように放送することが第一なんですよ。

 

何でも理解してくれる聡明な方からすれば何をしているんだ!とお怒りの声が飛んでくるわけですが、鉄道って様々な方が利用される大量輸送機関なわけですから、ごく一部の方だけが理解できるような放送や案内はできません。

ちょっとした異変の放送に対してパニックを起こす人というのも私は乗務中に何度も遭遇してきたので、聡明な方が満足するような放送は現実にはできないのです。

だからといってすべてを包み隠すような「お客様対応」なんて言葉で済ませるのも違うと思いますけど。

 

 

9時59分時点で1分後の10時00分に発車する列車のことを「10時発予定」と放送すること・・・

昔は10時ちょうどに出発しますって言っていましたし、たしかに予定という言葉なんて付ける必要はないですね。

それは同感です。

私なら無視しますが中にはいるんですよ、10時に出発って放送したのに1分ほど遅れて出発したじゃないかって、車掌に詰め寄ってくるおかしな人が。

文句があるなら駆け込んできた人に言ってくれ!

って車掌としては言えないですからね。

 

運行する側が言っておきたいことを並べているという印象、というのは正解でしょう。

国鉄時代は自ら発信することがあまりにも少なくて収益をみすみす逃していた、という反省からやたらと車掌による放送が長文化(自動放送もしかり)しているのですが、今ではちょっとやりすぎ感は否めません。

でも放送しないと

「何月何日の○時○分の車掌はいつも〇〇を過ぎたあたりで行う放送をしなかった」

なんていう、放送の中身とは関係がない難癖をつけてくる人もいるんですよ。

だから社内で一斉に放送の中身について検討し、削減できるところは削減していかないとね。

これも本社の上層部の方が陣頭指揮をとって行うべきことですね。

 

ヘッドフォンをしている方って到着や乗換案内の放送も毎回同じで分かっているからうるさいと思っている方が多いと思うので、残念ながらそういった方への列車の遅れや運転抑止に関する放送は届けられないです。

自ら遮断することを選択されているわけですから、こういった方に対してはどうしようもできません。

「ひかりレールスター」で採用されていたサイレンスカーがもっとも合理的なんだけど、通勤電車では難しいのかな。

 

 

駅には座る場所が少ないということも書かれています。

たしかにそう思います。

でも朝の通勤時間帯はごった返す都市部の駅のホームや駅構内に、ベンチやシートを設ければ便利だと思うこともあれば邪魔だと思うこともあるんじゃないのかな。

利用者数とホームのキャパを考えた場合にはどうなのかなって思うわけで、特に朝のラッシュ時間帯にはベンチやシートを増加させたことで歩きにくさが見られたり、まだホームドアが設置されていないホームでは事故の危険性が高くならないのかも見極める必要があると思うのですが。

もちろんキャパの割に利用者数が少ない駅のホームならばベンチやシートを増やのは簡単だけど、利用者数が少ない駅に増やして果たして意味があるのかが疑問ですけどね。

 

 

利用するにはストレスを伴うこともあるのが日本の鉄道である、と記事を締めくくっていますが、利用者全員がストレスを感じることがない鉄道を構築できれば素晴らしいですね。

放送一つとっても、停車駅と乗換放送だけでいいと思う人もいれば、一切の放送は不必要と思う人もいる。

逆に乗換えの放送をもっと細かく丁寧にしてほしいと訴えてくる人も現実にいるわけです。

ただ不必要な放送はどんどんカットしなきゃいけないですね。

そしてカットしたことに対するクレームを本社サイドだけで対処できるようにする必要があります。

本社ってすぐに現場で起きたことは現場で処理しろと、すぐに丸投げしていきますからね。

 

非常時の他社線利用に関する案内をもっと積極的にするのはよいとは思う。

そのためには駅係員が周辺の他の駅などを理解しておく必要がある。

※特定の駅だけに勤務することはなく、複数の駅を担当するのですべてを理解するのは難しいけど

ただし地理不案内な方にどう説明するのかがカギになるでしょう。

赤羽駅周辺のバスやタクシー乗り場が混雑していたというのもそれだけ地理不案内な方が多く、自身のスマホで地図を見て赤羽駅近くの別の路線の駅を見つけられない人が多いということを物語っているのですから。

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