昨年から考えられていた終電の繰り上げが、来年春のダイヤ改正から実施されることがJR西日本から正式に発表されました。
現行ダイヤで見てみると、大阪駅からの下り終電は西明石行きで0:28発。
そして終点の西明石には1:38着。
手元にある1979年2月の時刻表によると、このころの終電は大阪発0:19で西明石には1:30着。
大阪から神戸方面の終電は40年以上前からあまり変わっていないようですね。
しかしJR西日本の神戸方面以外は軒並み終電が繰り下がって遅くなっています。
バブルのころに私鉄も含めて終電がどんどん遅くなっていったのです。
私が勤務していた会社でも終電は30分くらいは遅くなったし、それ以降はあまり変わらずにダイヤ改正を重ねてきた感じですね。
今回のJR西日本の終電繰り上げは、保守作業の人員不足に対応するためということを昨年は言っていました。
私鉄と比べて路線長が長い分、保守にかかわる人間は大量に必要です。
ところが夜間作業が大半で重労働であることから人材が集まりにくくなっていて、まずは環境改善のために終電を繰り上げるということでした。
しかし新型コロナウィルスの蔓延と自粛生活、それにリモートワークを取り入れる企業が多くなったことから、できれば利用実態に見合ったダイヤ編成としたいという思惑がちょうど重なりましたね。
新型コロナに関係なく、ここ数年は終電の利用者数が右肩下がりの状態でしたから、仕方がないかなぁという気はします。
たった30分かもしれませんが、駅員も乗務員も助役以上の監督職もやっぱり少しでも早く仮眠できれば体は楽です。
私が車掌のころに私がいた会社では終電が繰り下げられました。
たった30分かもしれませんが、勤務終了時刻が遅くなるというのはジワジワと疲れが蓄積していくんですよね。
また繰り下がった最終電車を担当する乗務員だけがしんどいのではなく、例えばその1本前の電車は終点で留置して区外泊だったのが回送で車庫まで戻ってきて入庫になるとか、影響はかなり広範囲に及ぶのです。
前はこの電車が最終だったのに・・・
そんなことを思いながらの乗務って、やっぱり疲れますからね。
昨年JR西日本が終電の繰り上げを検討するというニュースが伝わった時、沿線の各自治体の首長さんたちは軒並み反対していましたが、企業努力だけでは解決できないところまで追い詰められていることは理解できないのかな。
終電の繰り上げに時間帯別の運賃導入を模索するなど、鉄道各社は想像以上に経営が厳しくなっているのかも。
今のところJR東日本をはじめ、大手私鉄の間で最終電車を繰り上げるという話は出ていませんが、終電の利用者数の減少はどの会社も同じだそうですから、ここ数年のうちに各社で終電が30分程度早くなることは十分考えられることだと思います。