信楽高原鐡道列車衝突事故

列車の正面衝突

まだ運転士になって3年ほどの私には、全く信じられない事故だった平成3年5月14日の信楽高原鐡道の列車衝突事故。
42名が亡くなり、600名以上が重軽傷を負う大惨事でした。
JR西日本側の乗り入れ列車、臨時快速「世界陶芸祭しがらき」と信楽高原鐡道の列車が正面衝突したのです。
JRのキハ58系は上の方へ折れ曲がり、信楽高原鐡道の車両は完全に押しつぶされるという、本当に信じられない光景でした。

信楽高原鐡道だけじゃない

この事故は運転取り扱い上のミス、保安装置が正常に稼働しない、訓練不足などさまざまなことが露呈した事故でもあります。

この事故があった同じ年、運転指令や駅などのミスが重なったことで危うく正面衝突の危険に直面した経験があります。
幸い保安装置が正常に作動していたために、私が担当していた列車は出発できずに難を逃れましたが、この時の運転指令をはじめ駅信号所の係員、乗務区の助役から乗務区長に至るまでの連携の無さと責任感の無さ。
そして何があったのかを一切公表しない態度には、今でも辟易しています。

 

この事故の頃と体質は変わっていない気がします

こういった事故はあってはならないことです。
でもそれ以上に、この事故を教訓として学ばなければいけないことが多数あります。
今は鉄道会社を退職して鉄道との接点はありませんが、少しでも鉄道業界に籍を置いた者として今の鉄道の状況をみると、ちょっと不安を感じる面も見えてきます。
鉄道業なんてそれほど儲かる商売ではないはずです。
だって安全に対する設備投資を考えた場合、他の業種とは比べ物にならないほど投資額も投資の範囲も広いはずなのですから。

設備だけを充実させても意味はありません。
鉄道に携わる者全体に対して規則の遵守の徹底を図るための教育と全体のレベルアップを図り、さらに万が一ミスした場合には的確にバックアップする設備を充実していく。
このことが分かっている鉄道会社の経営者や運輸部門の人っていったいどのくらいいるのだろう。

経費をいかにカットして収益を上げていくのか
インバウンドに期待して新線を計画しよう

その程度のことしか考えていない経営者や運輸部門のトップしかいないように見えて、何だかこの先の鉄道って・・・

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