昨日の朝、東武東上線池袋駅でポイント故障が発生し、約3時間にわたって一部区間の運休が発生した。
池袋駅の手前で停止し入駅できなくなった列車からは、線路内を歩いて駅へ向かう様子がニュースでも流れていました。
ポイント故障と信号機のトラブルってどこの会社とも多いです。
中には故障やトラブルではなく人為的なミスの場合もありますが、まぁ一括りにしてすべて故障・トラブルとして発表されています。
今回の東武池袋駅構内のポイント故障は、回路の断線が原因だったと発表されていますので、過電流が流れたとか配線が傷んでいたとかが原因かもしれないですね。
私が勤務していた会社みたいに、ホントは断線していたのに錆びつていたことで結ばれていた配線が、何かの拍子で外れて電気が流れなくなった、みたいな間抜けな原因でなければ良いのですが。
車両の故障ももちろんあるのですが、発生件数で言うと信号機のトラブルとポイント故障の割合の方が多いように感じます。
それ以上に人身事故の発生件数のほうが多いと思いますが、人身事故の大半は自殺ですから鉄道会社側に非はほとんどありません。
それに比べて車両故障や信号機・ポイントのトラブルは鉄道会社側の非がすべてです。
もちろん機械ですから故障する時もあるわけですが、利用者側にしたらトラブルとか故障が原因なんて言われたらやっぱり腹が立ちますよね。
乗務員や駅係員に食って掛かってくるお客さんも当然いるわけですが、「すいません」とか「申し訳ありません」としか言えないからストレスがメチャクチャ溜まるんですよね。
だって自分が勤める会社に非があるのですから。
人身事故の時に食って掛かってくるお客さんも同様にいますが、まぁ本音のところで言えば
「文句があるなら飛び込んだ人に言ってくれ!こっちだって迷惑してんだよ!」
言えないだけ虚しいのですが・・・
車両はどんどん進化していてかなりメンテナンスを省ける(省力化)ようになっています。
車両の状態やら故障などは機械的に診断できるようになっています。
その分大きな故障になると手が付けられない、パーツごと交換しかなす術はないってことになりますが。
それに対して信号機やポイントは基本的に昔からそう変化はないです。
信号機が電球からLEDに変わったものの、基礎の部分はあまり変化していません。
しかし昔と比べれば圧倒的に係員の数が減っていて、メンテナンスの周期がどんどん長くなっているんじゃないかな。
でもATSなどの保安装置は年々複雑な構成になっていき、どうしてもそちらにばかり少なくなった人手を取られているような気がします。
私が運転士になったころなんて、軌道内で信号機やポイントの点検を行う作業員ってあちこちにいてすごく多かったけど、運転士を辞める頃には1か所を集中的に点検するスタイルに変化していて、結果的にメンテナンスする周期は伸びていましたから。
ポイントなんて線路の内側に油を塗る作業ばかりになっていたし。
鉄道業に限らず、ほとんどの会社では省力化の名のもとに人員を減らし続けていきました。
そして足りない人員は下請け会社だったり派遣会社に頼っているという構図はみなさんご存じのとおりです。
私は駅員や乗務員として鉄道会社で働いていたので、どうしても乗務員からの視点でものごとを考えてしまいます。
たとえばJRで終電の繰り上げの話題にしても、乗務員や駅係員はその分少しは楽になるかなと思うわけで。
でも終電繰り上げの当初の理由は、作業員の不足によるものです。
下請け会社で働く人たちが高齢になり新規で人が集まらないからという理由でした。
下請けの会社の名前なんて知らない人のほうが多いわけで、どうしたって聞いたことが無い名前の会社には人は集まりにくいですよ。
だったら鉄道会社本体で雇えば今よりは人が集まるかもしれないって、私なんかは安易に考えてしまうのですがどうなんでしょう?
経費節減の名のもとに人員を減らし、機械化や省力化の名のもとにさらに人員を減らしてきた結果が、鉄道業では昔ならば考えられないトラブルの多発に繋がっているような気がするのですが。
今回の東武池袋駅でのポイント故障の原因を言っているのではありません。私は東武の実態なんて全く知りませんから。
ただ鉄道業全体に作業員を軽視し人員を減らし過ぎではないのかなと、昔を知る年老いた元乗務員のたわごとですので。。。