横須賀線・逗子駅の東にある全長約300mの第四種踏切・山の根踏切が廃止されました。
第四種踏切とは警報機や遮断機がなく踏切保安要員の配置もない、標識などで踏切横断の際の注意を促すだけの踏切。
横断する人が自身で列車接近に対して注意して渡る、そんな踏切ですね。
この逗子の山の根踏切は第四種踏切にしては距離が長く、実際に死亡事故も数件起きている危険な踏切だったようです。
JR東も地元と協議をしてきたようですが、結果的には廃止以外の妙案は見つからなかったようです。
ただ地元の住民にしてみれば、危険かもしれないがこの踏切を利用するのが最も近道で便利であったことから、廃止に対して反発の声も大きかったようですね。
踏切の新設は原則的に認められていませんので、山の根踏切を廃止しても新しい踏切が設置されることはありません。
山の根踏切に警報機や遮断機を設置する方法も模索されたようですが、機器の設置場所の確保や道路に面しているため遮断時の待機場所の確保も難しく、結果として廃止となったようです。
運転士にしてみれば踏切はとにかく無くなるほうが良い。
遮断機や警報機が設置されていても渡り遅れの人や、遮断機を押し上げて無理に横断する人なんてホントに数多くいますからね。
運転士から見ると遠目では踏切で不審者が身を乗り出しているのかと緊張しながら接近したら、カメラを構えた人なのでムカッと来て警笛を鳴らすこともあるし(笑)
とにかく踏切なんて全廃してほしいというのが本音です。
なので警報機も遮断機もない踏切なんてすぐにでも無くしてほしいと、運転士ならばみんなが思いますから今回の廃止は歓迎されるものです。
JR東にしても、第四種とはいえ踏切となると会社が管理責任を負うことになりますから、やっぱり本音では廃止したかったのだと思います。
それに対して「勝手踏切」は踏切ではない箇所を住民などが勝手に渡っているに過ぎず、渡らないでくださいとの警告看板を出しておけば、後は勝手に軌道内へ侵入した人が列車に接触した・・・とのスタンスで済ませることができますからね。
ひかれた人は往来危険罪に問われる可能性が相当高いですし。
※線路が敷設される前から住民が住んでいて、後から線路を敷かれたことから住戸への出入りのために鉄道会社が黙認している勝手踏切も地方には多いようですが
山の根踏切廃止後は逗子駅寄りの踏切や歩道橋を使うことになりますが、これまで山の根踏切を使ってきた人からすればかなり不便になるのも事実。
人専用の地下通路や歩道橋など立体交差となる設備の設置もスペースや財政の問題が絡んでくるし。
これからも全国で似たような問題が出てくるかもしれないですね。