列車の運休が事前に決まっていた場合、乗務員はどうなるんだろう

欧米のような爆発的感染とまでは行かないにしても、じわじわと増え続ける新型コロナウイルスの感染者。
日本中に緊急事態宣言が発出されて今まで以上に自粛要請が厳しくなるでしょうから、鉄道利用者はさらに減少していくでしょう。
今年のGW期間中は臨時列車はほぼすべて運転を休止するでしょうし、定期列車の運休も四国・九州・北海道の3島会社ではまだまだ継続していくのかもしれません。
臨時列車の運休は車両や乗務員の運用の見直しも比較的簡単ですからやりやすいのですが、定期列車を運休するとなると結構大変だと思います。
特急列車のようにほぼ運転区間が決まっている列車の場合は定期列車でも運休はしやすいかもしれませんが、普通列車や快速列車となると車両の運用区間がまちまちですから、1本の運休を決めるとぞの前後の調整が大変だと思うのです。
もちろん乗務員の運用も大変だと思います。

 

 

台風や地震など何か災害が起きてからの運休や変更はよくあるのですが、新型コロナウイルスをあちこちに巻き散らかさないようにするためだったり、今後も利用客数の大幅な減少が見込まれるから運休を先に決めるというのは、30年以上鉄道現場で働いていた私でも経験がありません。
ただ今回の運休は言ってみれば会社都合ですから、極力乗務員が不利になるような扱いはしないと思います。

車掌や運転士は仕業表という作業ダイヤに則って勤務します。
定期列車の仕業表はダイヤ改正時などに見直されて、次回の見直しまで修正されることはまずありません。
この仕業表を順番に並べたものが交番表で、同じ乗務区の同じ組に属している人は全員が交番表の順番通りに乗務します。
以下が仕業表の例です。

 

A・B・Cが駅名です。
この例では6時に出勤して点呼やその日の運転に関する注意事項などをチェックして、6時25分にB駅で交代します。
509Mという列車をC駅まで担当して、折り返し7時10分発の列車をA駅まで担当し、折り返し8時35分発の列車をB駅まで担当して9時15分に交代する、という感じに見ていきます。

定期列車の運休が903Mと1008Mで実施されるとすれば、その乗務員は乗務区で待機となるだけです。
私が所属していた乗務区では“待機”と呼んでいましたが、ある会社では“儲け(もうけ)”と言うと聞いたことがあります。

このようなA~B~C間のみ担当するといったような単純な仕業ならば良いのですが、実際には交代する駅はもっと多く担当エリアももっと広く、さらに同じ路線を複数の乗務区が担当しているとなると、列車の運休って簡単にはいかないんじゃないかなぁ。

ちなみにこの仕業表の見本ですが、10年ほど前にある本の執筆を依頼されたときに作成したものです。
※ムック本でしたが廃刊になっていると思います。

 

 

ついでに交番表を以下に

 

交番表はこんな感じで、縦1横1の3に乗務し、翌日は縦2横1の101、その次の日は縦3横1の151を乗務します。
1週間で縦1横1から縦7横1まで回って、次は縦1横2から順に縦に乗務していきます。
縦の6に休202と休101って仕業があるのですが、これは休日出勤があらかじめ指定されていることを意味します。
※私が車掌になった当時に存在していました

予備ですが、ダイヤが乱れたときの要員や遅刻者の補充などに充てます。
この交番表では表しませんでしたが、補充といって誰かが休んだ時にはまる仕業や、臨時列車の乗務に充当される仕業もありました。

臨時列車を運休する場合は補充される仕業が無くなるので、仕事としては予備と同じ扱いになるのかな。
ただJR北海道では帰休(本来は出勤日だけど休みにされる)を実施すると報道されており、雇用調整助成金という国の制度を用いるので実際には給料はカットにはなりませんが、それでも厳しい状況に置かれることになるでしょうね。

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