雨や落ち葉での空転による運休が相次ぐ、編成が短くなったから?
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雨や落ち葉での空転による運休が相次ぐ、編成が短くなったから?

(11月)21日午後5時10分ごろ、JR日豊線の霧島神宮-北永野田間で、鹿児島中央発宮崎行き特急きりしま14号(4両編成)の車輪が空回りした。JR九州によると、特急列車上下4本が運休、同上下2本と普通列車3本が最大69分遅れ、約500人に影響が出た。乗客約100人にけがはなかった。当時雨が降っており、レールが滑りやすくなっていた可能性がある。南日本新聞より

 

(11月)22日午前10時20分ごろ、富山地方鉄道立山線横江―千垣駅間で、電鉄富山駅発立山駅行きの特急「アルペン号」の車輪に線路の落ち葉が絡まり、運行できなくなった。乗客約40人にけがはなかった。この影響でアルペン号は岩峅寺―立山駅間が区間運休となった。乗客は後続の普通列車に乗り換えた。北國新聞より

2日続けて雨や落ち葉による空転が原因で遅れや運休が出たという記事を目にしました。

 

雨や落ち葉による空転はこのブログでも何度も取り上げてきましたし、実際のところ蒸気機関車の時代からずっと起こっている問題ではあります。

機関車の場合は動力車1両で客車や貨車を引っ張るために引っ張る力は当然強くしなきゃいけない。

それに負けないようにと機関車の車重を重くし、砂巻き装置を付けるなどあらゆる手段を取ってきました。

 

電車やディーゼルカーは動力を分散できるために、機関車よりはマシなはず。

ところが実際に電車のハンドルを握っていた身からすると、もう泣きたくなるほど空転って酷かった。

VVVFの試験で一般の車両に入れて運用していた時は、それはもう信じられないくらいに空転に強く運転しやすかった。

で、VVVFのみの新車が出てきたら、もう愕然とするほど空転に悩まされることに。

 

私が勤務していた会社の電車には、ごく一部の編成にのみセラミック噴射装置(セラジェットは商標名です)が取り付けられており、雨天時などには噴射することで空転や滑走はかなり防ぐことができます。

でもごく一部の編成なので、その他多くの列車は空転する車両に嫌気をさしながら運転していました。

※セラミック噴射装置を積んだ車両が多めに噴射してくれると、その後数本の列車はその恩恵に預かれる・・・

 

雨であろうと落ち葉であろうと、セラミック噴射装置が無くても、ある程度までは力行の仕方を工夫することで空転を防ぐことはできます。

ただ運転していて思ったのは、編成中に動力車が少ないと空転しやすいってこと。

それと編成が短くなってくると空転によって遅れが生じやすくなるということ。

 

 

VVVFの試験で編成中に入れられたという話を書きましたが、これは付随車を抜いてVVVFの車両を入れたことで、電動車の比率が高くなったことで空転しにくくなっただけで、VVVFだから空転しなかったのではなかった。

VVVFでなくとも、電動車の比率が高ければ空転は多少しても遅れが出ることは少ない。

厳密に言うと、制御器の数が多いほど空転もしにくく遅れも発生しないという事です。

空転を検知した場合最近の車両は自動的に出力を落とすわけですが、少し前の車両は断流器で電流の流れを切断するのですが、これは制御器(ユニット)単位で行われるので、電動車2両で一つのユニットの場合は2両とも止まってしまうわけです。

例えば10両くらいの編成で8両の電動車で4つのユニットに2両の付随車ならば、先頭寄りの電動車が空転によって止まったとしても、後ろの方の電動車が押してくれるからそれほど遅れずに済むわけです。

最近は省力化の影響か、編成中の電動車の数が少なくなっています。

8両編成で4両の電動車で2つのユニットだとすると、先頭寄りの電動車が空転すると後の方の電動車・ユニットだけで押すことになって、後ろのユニットも続いて空転します。

これがもしも8両編成中電動車が6両で3つのユニットならば、まだ何とか耐えて押してくれるのですけどね。

 

それと先頭車両が電動車の場合は特に空転しやすい。

先頭車がモーター無しならば、少しはレール上の雨粒を弾き飛ばしてくれるのでその後ろの電動車は空転しにくくなるし。

事故、特に自動車などとの衝突の際には先頭車両は重たい電動車のほうが事故の軽減や脱線防止が期待できるけど、雨などの場合は空転しやすくなるという欠点もあります。

 

このところ各地で空転による遅れや運休が多発していますが、結局は短編成化や電動車(ユニット)の数の減少が大きな要因じゃないかなと思っています。

編成中に制御器が一つしかなければ、空転してモーターへの電流が流れなくなれば動きようがなくなります。

無理して動かそうと力行を続ければ、今度は空転による過負荷も発生しますし。

空転だけを考えた場合には、やっぱり制御器・ユニットの数は3つ以上は欲しいけど難しいですしね。

せめてすべての編成にセラミック噴射装置を取り付けてくれればマシになるんだけど。

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